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“服”から女性の創造性に出会うーー長島有里枝・作品展「縫うこと、着ること、語ること。」開催

自身の家族とともにヌードを撮影したセルフ・ポートレートシリーズで、写真家として鮮烈なデビューを果たした長島有里枝さん。近年は自身の家族にまつわる記憶や関係性を手がかりに、女性の創造性に光をあてた作品を制作しています。2009年には4代にわたる家族の記憶を綴ったエッセイ集『背中の記憶』(第26回講談社エッセイ賞受賞)を発表。その表現はますます広がりを見せています。

そんな長島さんが 家族の関係を探る手掛かりとして、“服”をモチーフに制作した展覧会「縫うこと、着ること、語ること。」が、6月17日(金)〜7月24日(日)まで、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で開催されます。

 

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今回の展示は2015-2016年度のKIITOアーティスト・イン・レジデンス招聘作家として滞在製作を行ってきた、長島さんの成果発表展。昨年の10月より神戸にて短期滞在を繰り返し、神戸に在住している彼女の私生活のパートナーの母親と共にタープ(キャンプ用の日よけ)を制作しました。このタープは今春、東京・MAHO KUBOTA GALLERYの『家庭について/about home』において製作されたテント作品とのつながりも感じられるもの。どちらも衣服を素材に製作されました。小さな手仕事によって社会が構成されているという彼女の問題意識、両展示に通底しています。

 

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タープの素材となる古着を集めるため、長島さんは神戸のさまざまな女性たちに会いました。“捨てたいのにどうしても捨てられない古着”。それらを所有する彼女たちの思いを会話の中から引き出し、写真に収めていく。滞在中に制作されたタープと、撮影した女性たちの写真を中心にインスタレーション形式で構成される今回の展示。作品の中に閉じ込められた思いと時間が立体的に浮かび上がります。

 

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女性であり作家である長島さんと、神戸に生きる女性たちとの出会いから生まれた意欲作。浮かびあがってくる家族、母、女性であることの姿。彼女の作品に触れ、強固でありながらも変化し続けていく人との関係性について考えてみてはいかがでしょうか?

©Yurie Nagashima

INFORMATION

KIITOアーティスト・イン・レジデンス2015-2016 長島有里枝 成果発表展
「縫うこと、着ること、語ること。」

期間:2016年6月17日(金)~ 7月24日(日)
休み:月曜(祝日の場合は開館し、翌火曜休館)
時間:11:00~19:00
場所:デザイン・クリエイティブセンター神戸 2FギャラリーC(神戸市中央区小野浜町1-4)
主催:デザイン・クリエイティブセンター神戸
http://kiito.jp/

(更新日:2016.06.13)
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