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見えない世界と私たちの暮らしを結びつける、科学と芸術の視点。科学と芸術の丘2021『OPEN CITY – 触発する街 -』、10月16日(土)~17日(日)開催!@千葉県松戸

感情や記憶、思い込みや偏見、自分の身体の中、感染症や紫外線など、私たちは普段、手で触れないものや目に見えないものと共に暮らしています。それらがたとえ自分に大きく影響していたとしても、立ち止まって考える機会は少ないと思います。そんな中、形のないものに形を与え、目の前にないものをさまざまな形で知覚させてくれる「科学」と「芸術」の視点から、新たな問いを立てるイベント「科学と芸術の丘2021『OPEN CITY – 触発する街 -』」が、千葉県松戸市内とオンラインにて、2021年10月16日(土)、10月17日(日)に開催されます。

4年目の開催となる今年は、世界中のユニークな活動から生まれた新しい科学技術を紹介する展示や、参加型のワークショップ、最新のアートやテクノロジーについて考えるトークイベントを通じて、さまざまな感性を触発する場がひらかれます。

そんな盛沢山な2日間から、一部のプログラムをご紹介します!

 

自然の複雑さを観察する展示作品

期間中は、国の重要文化財である「戸定邸(とじょうてい)」の各所を会場に、世界的なメディアアートの文化機関である「アルスエレクトロニカ」とともに招いた、国内外のアーティストによる5作品を展示。さまざまな視点から地球環境や自然のメカニズムを考察し、科学技術の力を駆使して新たな可能性を模索する試みが紹介されます。

生き物との関わりから表現を生み出すアーティスト・AKI INOMATAさんによる「彫刻のつくりかた」は、自然の力だけでつくり出された木の複雑な構造を伝える作品。

彫刻のつくりかた How to Carve a Sculpture/AKI INOMATA 写真提供:科学と芸術の丘2021

ビーバーにかじられた角材の形状が、彫刻家による摸刻と切削機械による複製の2つの手法を用いて3倍サイズで再現されます。後に、ビーバーがかじった木の内部にはカミキリムシがつくった複雑な坑道があることが発見され、その内部構造もCTスキャンを用いて紹介されます。動物や昆虫によってミリ単位の規模で行われている営みを覗くことができる作品です。

また、医学と工学を融合した血管組織の研究を行う東京大学生産技術研究所 准教授の松永行子さんによるプロジェクト、「血管の音色 Attune」は、体調を耳で聴くという体験型の作品。

血管の音色 Attune/松永行子 写真提供:科学と芸術の丘2021

松永研究室の最新の研究から、指先の毛細血管の形は人の健康状態を表しており、その形は睡眠・運動・食事・飲酒といった生活習慣によって変化することがわかってきました。その研究結果をもとに、毛細血管を撮影するシステムと画像から音楽を作成するシステムとのコラボレーションにより、自らの健康を音で感じられる新感覚の作品が誕生しました。果たして、自分の健康はどんな音がするのでしょう?

 

「発明」を体験するワークショップ

最新の科学と芸術に触れられるワークショップでは、子どもから大人まで楽しめる創作と発見の場が用意されています。

10月16日(土)に開催される「Future Matters」は、未来の素材について考えるワークショップ。プラスチックが奇跡の製品として活用されていた時代は過ぎ、近年では新しい素材の研究が進んでいます。今回は、そんな最新の研究を学びながら、実際に手を動かしてさまざまな素材を組み合わせた「紙」のプログラミングを行うワークショップを開催。

Future Matters/蒔野真彩 写真提供:科学と芸術の丘2021

当日は、オーストラリア・リンツと松戸をオンラインで繋ぎ、これまで開発されてきた素材が常に人間のニーズと結び付いていたことを知るとともに、楽しみながら未来の素材に触れることができます。

また、2日目の10月17日(日)に開催される「未来の標識を考えよう! Future Collider ワークショップ」は、「近い未来に存在するかもしれない標識や看板」を参加者と共に考え、拡張現実(AR)のアプリを使って松戸の街に取り付けていくという、少し変わったまちあるきツアー。

Future Collider/木原共 写真提供:科学と芸術の丘2021

参加者はグループに分かれて松戸駅周辺を散策しながらARを使った写真を撮影し、40分ほど撮影をいた後に、どこにどのような標識を設置したのか、お互いに写真を共有します。

さらに、2日に渡り開催されるトークイベントでは、展示作品やワークショップを手掛けたアーティストによるお話や、アート・テクノロジー領域における最新の取り組みなどに関するお話も聞くことができます。

今週末は、最新の科学と芸術に触れてみませんか?

 

「科学と芸術の丘2021「OPEN CITY – 触発する街 – 」

期間:
2021年10月16日(土)10:00~16:30
2021年10月17日(日)10:00~16:00
*戸定邸入館受付は9:30〜16:30
会場:戸定邸(千葉県松戸市松戸 字戸定642-1)/戸定が丘歴史公園(千葉県松戸市松戸714-1)/松雲亭(千葉県松戸市松戸714-1)/松戸市内各所
*トークはオンラインでも配信予定
アクセス:JRまたは新京成線「松戸駅」東口下車 徒歩約10分
入場料:無料 *戸定邸のみ入館料一般250円、高校大学生100円
参加方法:展示は予約不要。トーク、ワークショップなどの一部は事前予約制となっているため、詳細・お申込みは各ページよりご確認ください。
参加アーティスト:The Remixers/Simon Weckert/木原共/AKI INOMATA/松永行子

公式HP:http://science-art-matsudo.net/
ワークショップの詳細:http://science-art-matsudo.net/promotional-area/2021-workshop/
トークイベントの詳細:http://science-art-matsudo.net/promotional-area/2021-talk-workshop/

(更新日:2021.10.15)
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