ある視点
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人生の計画なんて、そう簡単に立てられるものじゃない。
予想を上回る独身生活だったり、長く住む家がどこになるか分からなかったり、パートナーと別れたり、転職したり。先の読めない人生のなかで、安くない、かさが大きいダイニングテーブルを買えない人はけっこう多いのではないか、と思う。同時に、人生の変わり目に購入した人もいるはずだ。
ダイニングテーブルは、食事をするための机でしかないが、戦後の日本では“家族の象徴”として捉えられてきた。だからこそ、ダイニングテーブルを取り巻く環境を探ることで、今日の家族のかたちや暮らしのありようが浮かび上がってくるかもしれない。
それぞれの、ばらばらのダイニングテーブル事情に、耳をすます。
イラスト:中村桃子