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山に育つ素材の、もうひとつの「姿」。山形県玉庭地区・里山再生事業プロダクト展

山形県・山形市から南へ1時間半いった山あいにある集落、玉庭地区。冬には粘り気のある雪が山ほど降り、日常が白銀で覆われる美しくも厳しい土地です。山を見ると、スギの植林地が少なく、コナラ・ブナ・ハンノキ・クリ・コシアブラが混じる雑木林が広がり、尾根にはヒメコマツが群生。

そんな野性溢れる山は、季節ごとに山菜・キノコ・栗・クルミ・ほうき木・アケビ・クロモジなど食料や材料に使いやすい植物に恵まれていて、保存食を中心としたものづくりの文化が今もなお育まれています。

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玉庭地区のコミュニティセンターと、周辺に暮らす20〜30代のデザイナー・木工作家などが集まり協力し合いながら行っている「里山再生事業」。個人単位で林業を行なえる自伐式林業の推進、地区産材や採集物(蔓・樹皮)を使い、地域の職人と日用品を作ったり、山の食材を販売しています。こちらのプロダクト全般のコンセプトメイキングとマネジメント(地域の大工や藁細工職人とお茶飲みなど!)ビジュアル制作からプロダクト制作のお手伝いまで、全体のディレクションを手がけるのは、山形県在住のデザイナー・吉田勝信さん

約2年間かけて丁寧に育まれてきた「里山再生事業」。今回、こちらで制作されたプロダクトを私たちが見て触れることができる機会として、展示&受注会「技術」が開催されます。3月5日(土)から5月8日(日)まで、東京・仙台・山形と会場を移してお披露目!

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ストーリー:

“「山に獣が増えてきたな。」

猿の群れが畑にワッと現れ、かぼちゃを両手に抱えて逃げていく。ばあちゃんが後を追うように玄関から飛び出し、カンカンとフライパンを杓子で叩く。

「また、やられた!」

山形県川西町の山手の集落「玉庭地区」ではよく聞く話。

時代の流れとともに、集落のインフラが近くの山のシバや薪からどこからかやってくるガス・電気へかわり、副収入の稼ぎ口はキノコや山菜、シバ売り、炭焼きから出稼ぎに移り変わっていきました。台所から山の中腹まで広がっていたヒトのテリトリーは家の周りが精々で、山の中で暮らすには大変になってきました。

昔は暮らしを成立するための技術=山を管理する技術でありましたが、現代では暮らしを成立させる為に労働を一度お金に変換しないといけません。

この複雑化した状況を受け止め、玉庭地区では山を管理する技術でマネタイズし、暮らしを成立させる技術として磨き直すことを一つの目標にしました。”

 

山で採集したものを素材にした日用品や雑貨をはじめ、藍で木地染めした木工品、アケビやマタタビのツル細工、大工が作った家具、炭や石などの雑貨、ツルやワラ、縄といった素材が展示され、アイテムによっては受注販売できるものも。

 

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会場によっては、展示以外にもアケビ細工を作るワークショップや、技術相談会などのイベントもあり! 緑が濃く、雪深い土地から生まれた素材のさまざまな姿を見に、訪れてみてください。

 

 

INFORMATION

川西町玉庭地区・里山再生事業制品展「技術」

東京|アフガニスタンと玉庭の手仕事
日程:3月5日(土)〜3月13日(日)
時間:11:00~19:00
会場 :パオ・ギャラリー(東京都中野区東中野2-25-6 2F)

 

仙台|Cafe & Exhibition
日程:3月18日(金)〜3月21日(月)
時間:12:00~18:30
会場:design labo necco sendai(仙台市青葉区一番町1-15-38小林ビル3F)

 

山形|ローステリアで試用期間
日程:3月26日(土)~5月8日(日)
時間:10:00~19:30
会場:IsKoffee(山形県山形市南館3丁目5-19)
※制品を店舗で実際に使っていただいています。

 

ワークショップ|簡単なアケビ細工
日程:3月5日(土)〜6日(日)、12日(土)〜13日(日)、18日(金)〜21日(月)
会場:展示会場で随時受け付け。
内容:30分から2時間くらいで作れるものを3種ほど。
価格:1,000円〜(予定)

 

技術相談会
日程:3月5日(土)〜13日(日)、18日(金)〜21日(月)
内容:受注、オーダーメイド、技術提供などの相談会。

※山形でのワークショップ&技術相談会の日程は追って告知します。ウェブサイトをご確認ください

 

 

問い合わせ
玉庭地区交流センター四方山館
山形県川西町大字玉庭6708-5
☎︎0238-48-2130
hello.tamaniwa@gmail.com

(更新日:2016.02.24)
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