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高校生が、伝統を受け継ぐ人々に聞き書きした、「言葉にならない」記録。企画展『「聞く」と「書く」のあいだ展』が恵比寿にて開催中!
日本は、面積の約7割が森林に覆われる森の国であり、周囲をぐるりと海に囲まれる島の国。地域ごとに異なる風土や気候によって、さまざまな暮らしや文化があり、そこには伝統を受け継いできた人がいます。
樵や炭焼き、木工職人、漁師、海女……そんなさまざまな「名人」たちを全国の高校生が訪ね、一対一で話を聞いて文章に書き起こしていくプロジェクト「聞き書き甲子園」が、活動20周年を記念して企画展『「聞く」と「書く」のあいだ展』 を、恵比寿・弘重ギャラリーにて開催しています。


2002年からスタートした「聞き書き甲子園」には、これまで1800人近い高校生が参加しました。
年に1度、全国から森・海・川の名人に聞き書きしたい高校生を募集。高校生は、約一年間のプログラムの中で、一人で名人のもとをたずね、2回にわたり聞き書きを行います。
そこでの対話は録音し、一言一句書き起こします。それが終わったら、不要な部分を削除し、並べかえ、どの話を文章にするか考えながら整理。こうして完成する聞き書き作品は、名人の語り口を生かした「ひとり語り」の文章としてまとめられます。

聞き書き作品は、年度ごとに冊子にまとめられます。
行ったことのない地域、会ったことのない人、はじめて触れる自然や文化。
「聞くこと」を経て、話し手の意図や思いを想像する。
今回の企画展は、完成された聞き書きの文章からは見えづらい名人との対話を通して、高校生がどんな経験をして、言葉の奥に何を感じたのか、「言葉の向こう側」にあるものを表現するイベントです。
*会場内では、聞き書き甲子園に参加した4組の高校生と森の「名人」を描いたドキュメンタリー映画『森聞き』短編版を鑑賞できるコーナーがあります。
名人はなぜそのような言葉を高校生に伝えたのか、高校生がなぜその言葉を選んだのか、またはなぜ選ばなかったのか。
聞き書きの文章を読むだけは見えない、「聞くと書くのあいだ」にあるものに少しだけ立ち止まり、名人の仕事や暮らし、言葉の奥にある意味や思いに耳をすますことは、画一的な正解のないこれからの時代の生き方や働き方のヒントになるかもしれません。
INFORMATION
「聞く」と「書く」のあいだ展
日時:~9月26日(日)12時~20時(祝日も開館・入場は閉館の30分前まで)
入場料:無料(事前申込制)
申込方法:ここからお申し込みください。
会場:恵比寿 弘重ギャラリー(渋谷区恵比寿南2丁目10-4 ART CUBE EBIS B1F)
アクセス:JR 恵比寿駅 西口改札より 徒歩6分
主催:聞き書き甲子園実行委員会(農林水産省、文部科学省、環境省、公益社団法人国土緑化推進機構、NPO法人共存の森ネットワーク)
お問合わせ先:聞き書き甲子園実行委員会事務局(共存の森ネットワーク内)
電話: 050-5363-4362
メール:contact@kikigaki.net (担当:峯川)
HP:https://www.kikigaki.net
Instagram:https://www.instagram.com/kiki_gaki/
Twitter:https://twitter.com/kiki_gaki
Facebook:https://www.facebook.com/kikigakikoshien/
※感染防止対策の為、2時間ごとの入れ替え制とさせて頂きます。
※多数のお申込みを頂いた場合、ご来場頂く時間の調整を事前にお願いさせて頂く場合もありますので、ご了承ください。
※10月以降は全国20か所程度で、本企画展の巡回展や図書館との連携企画などを予定。
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