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アートを通して多様性のある未来を考える、メディア『DIVERSITY IN THE ARTS TODAY(ダイバーシティ・イン・ジ・アーツ・トゥデイ)』がオープン!

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多様な感性が受け入れられる社会をめざし、障害のある人と芸術文化の支援を行うために、日本財団が新たに立ち上げた、「日本財団DIVERSITY IN THE ARTS」。

既成にとらわれない展覧会の企画や、多様性の意義を広く伝えていくための情報発信など、2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて動き出しました。

その取り組みのひとつとしてオープンしたのが、『DIVERSITY IN THE ARTS TODAY(ダイバーシティ・イン・ジ・アーツ・トゥデイ)』。日本の各地域で表現活動を行う障害のある人たちのアート作品や、それらを取り巻く文化を紹介する、国内初のウェブメディアです。

映像人類学者、美術館館長、写真家、音楽家などのさまざまな書き手によるコラムやインタビュー、創作が生まれる現場やアーティストの紹介記事、展覧会や映画などの最新トピックスまで、固定概念にとらわれない切り口で構成されています。

 

COLUMNS  “障害”と“障がい”。表記が2通りある理由

photo:Ittetsu Matsuoka

photo:Ittetsu Matsuoka

“障害”とはなんでしょうか? 程度の差はあるかもしれませんが、社会を生きていく中で、誰しも“生きづらさ”を感じることはあるはず。記事の中では、“障害”を巡るさまざまな議論について、また、法律の問題と切っても切り離せない福祉制度の歴史や現状について、分かりやすく紹介しています。

>>“しょうがい”って何? 障害者福祉の制度、法律、サービスの言葉 解説:岡部兼芳[はじまりの美術館館長]

 

COLUMNS 「アール・ブリュット」、「アウトサイダー・アート」って?

“アウトサイダー・アート”の生みの親、 ロジャー・カーディナル氏。

“アウトサイダー・アート”の生みの親、 ロジャー・カーディナル氏。

「アール・ブリュット」という言葉を耳にしたことがある人は多いかもしれません。「ブリュット」は、フランス語で「加工していない」「ありのままの」という意味。1945年、フランス人の画家、ジャン・デュビュッフェによって生まれた造語で、“正規の美術教育を受けていない人による、何ものにもとらわれない表現”という概念で使われてきました。日本では、福祉施設で生まれた作品が多いため、学問や美術史の言葉としてではなく、障害のある人の芸術表現として認識されることが多くなっています。

近代美術史の枠組みにとらわれないかたちで生まれてきた、「アール・ブリュット」や「アウトサイダー・アート」。場所や時代背景、命名した人の思いや時ととも変容してきたそれらの言葉を文脈的に辿っています。

>>“周縁にある”アートは、これまでどう呼ばれてきたのか解説:嘉納礼奈[芸術人類学研究者]

>>“アウトサイダー・アート”の生みの親、 ロジャー・カーディナルに訊く(1) インタビューア:ロジャー・マクドナルド

SERIES 知らなかった自分と出会うエッセイ・コミック

写真家・パトリック・ツァイによる連載、「パトリックのインサイドアウトな冒険」。アメリカからやってきた台湾系アメリカ人であるパトリックが、障害のある人たちとの出会いを通じて、知らなかった自分と出会っていくエッセイ・コミック。

写真家・パトリック・ツァイによる連載、「パトリックのインサイドアウトな冒険」。アメリカからやってきた台湾系アメリカ人であるパトリックが、障害のある人たちとの出会いを通じて、知らなかった自分と出会っていくエッセイ・コミック。コンパクトなボリュームなので、通勤などの移動中にも読みやすいコンテンツです。

>>「パトリックのインサイドアウトな冒険」/漫画:パトリック・ツァイ

REPORTS 各地の工房を訪ねて

Photo:Ittetsu Matsuoka

Photo:Ittetsu Matsuoka

滋賀県と三重県の県境、甲南町にある、アート活動を中心とした福祉事業所「やまなみ工房」、約50年前、一人の日本画家の情熱が営みを変えた、亀岡にある障害者支援施設「みずのき」、ダウン症や自閉症の子どもたちを中心とした絵の教室「atelier A(アトリエ・エー)」など、日本各地の工房に赴き、創作が生まれる現場を取材するレポート記事。紹介されているアーティストや運営者の思いだけでなく、書き手の感じ方にも新たな感覚と出合うきっかけが潜んでいます。

“人は多様だ。当然、自分の正解が相手の正解だとは限らない。でもだからといって、そこで多様だねと言い切って整理してしまうのは、思考停止のような気がしてどこか違和感を覚える。私とあなたは違う。違うけれど、でも、それでもあなたを知りたいという姿勢、コミュニケーションこそが、本当の意味での多様性の中を生きることにつながるのではないか。やまなみ工房での時間は、私にとってそういう時間になった。”

ーーやまなみ工房(滋賀県)より

>>REPORTS やまなみ工房(滋賀県)
>>REPORTS みずのき(京都府)
>>REPORTS アトリエ・エー(東京都)

“ふつう”であることとは何か?
“多様性”とは何か?

アートを通じて多様性のある未来を考えるウェブメディア、『DIVERSITY IN THE ARTS TODAY』。味わったこのない心身の感覚、触れてみてはじめて沸き起こる疑問。まだ出合ったことのない世界をのぞきに、ぜひアクセスしてみてください。

タブロイド判フリーペーパー『DIVERSITY IN THE ARTS PAPER』も全国で配布中です。

 

「日本財団DIVERSITY IN THE ARTS」とは?
1日本財団では、多様な個性に寛容なインクルーシブな社会の実現を目指し、「障害者と芸術文化」の領域への支援を行っている。「日本財団DIVERSITY IN THE ARTS(ニッポンザイダンダイバーシティ・イン・ジ・アーツ)」は、既成にとらわれない展覧会などの企画、積極的かつ横断的な情報発信を通じて多様性の意義と価値を広く伝え、越境や交錯、交歓の喚起を目指す新たなプロジェクト。多くの人が参加者となり、さらに新たな担い手や企画が生まれるよう、東京オリンピック、パラリンピックが行われる2020年に向けて複数の企画を実施する。
http://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/diversity_in_the_arts/

 

INFORMATION

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ウェブメディア『DIVERSITY IN THE ARTS TODAY』
https://www.diversity-in-the-arts.jp/

 

 

 


18836931_1684165461611325_8914277219685110691_oフリーペーパー『DIVERSITY IN THE ARTS PAPER』
01号 特集「ダイバーシティをどう思う?」
<配布場所>(2017年6月15日現在)
森美術館(東京/港区)アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト](東京/渋谷区)渋谷ヒカリエ8/(東京/渋谷区)NADiff a/p/a/r/t(東京/渋谷区)本屋B&B(東京/世田谷区)アートト(東京/江東区)エイブル・アート・ジャパン(東京/千代田区)百年(東京/武蔵野市)象の鼻テラス(神奈川/横浜市)アーツ前橋(アーカイヴ、ショップmina、ロブソンコーヒー)(群馬/前橋)はじまりの美術館(福島/耶麻郡)BOOKS AND PRINTS(静岡/浜松市)みずのき美術館(京都/亀岡市)やまなみ工房(滋賀/甲賀市)デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO) 2Fライブラリー(兵庫/神戸市)鞆の津ミュージアム(広島/福山市)クシノテラス(広島/福山市)藁工ミュージアム(高知/高知市)日本財団ビル(東京/港区)
※すでに配布が終了している場合がございます。

(更新日:2017.06.23)
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