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“もの”へのまなざしが変わる場所。クラフトマーケット「くらしずく」開催!@千葉県九十九里町/10月8日(日)・9日(月・祝)
みなさんはものを買うとき、どのような基準で買っていますか? デザインだったり、素材だったり、使いやすさだったり、値段だったり……。いろんな基準や好みがあるなかで、ずっと使い続けたいと思えるものはいくつくらいあるでしょうか。
暮らしに彩りを与える作品とそれを生み出す作家。そして、それを使う使い手が出会うクラフトマーケット。今年、初めて開催されるという、千葉県九十九里町の「くらしずく」(10月8(日)・9日(月・祝))は、そんなクラフトをもっと暮らしのなかに取り入れてほしいという思いからスタートしました。
千葉県に暮らす阿部純さんは、くらしずく実行委員のひとり。もの作りをしている作家さんらと出会うことで、自分の暮らしに対する目線や、ものへの接し方が変わったと言います。
「僕は、数年前まで横浜に住んでいて、忙しく働いていました。便利な場所でしたし、都会なら当たり前なんですが、どんなものも豊富にあって、欲しいものはすぐ手に入ってたんですよね。でも、九十九里に引っ越してきてから、無駄な買い物は格段に少なくなって、手に入れるものへの価値観が変わりました。
作家さんから直接買うようになって、目に映るかたちや素材の手触り、そういったものをかたちづくるすべてが、大事に思えるようになったんです。ものの数じゃなく、ひとつのものへの思いを深くすることが豊さなんじゃないかと」
阿部さんは、ある作家夫婦と出会い、彼らのものづくりに共感してファンに。けれど、ものづくりを生業にして暮らしていくことの難しさも聞いていたなか、陶芸作家だった旦那さんが、サラリーマンになることを選ぶことになったといいます。
「その時は見守ることしかできなかったんですが、彼がものづくりをする、その土台となるようなことが僕にできないかなと思いました」
そうした、作り手が想いを込めて作った、“暮らしを豊かにするもの”が集まる場所を作りたい。阿部さんは、手仕事に実際に触れたり、作り手と話したり、距離を近くに感じてもらえる場所を作ろうと思うようになります。
そんな時、出会ったのが九十九里町にある老舗メーカー「菅原工芸硝子」の社長である菅原裕輔さんでした。菅原工芸硝子は、同じものを均一に作ることがよしとされるガラスの世界で、一つひとつ手作りでガラス製品を作っています。
だからこそ、個人作家の思いを理解し、阿部さんの思いにも共感し、クラフトマーケット協力してくれることに。「くらしずく」は、菅原工芸硝子の敷地内を舞台に開催されます。
約30人ものクラフト作家は、阿部さんが全国のクラフトマーケットを訪ね、実際に手に取り、出店してもらいたいと思った人を選んでいます。作家さんのものづくりの背景をもっと知ってほしいと、出展作家さんのインタビュー記事もSNS(https://note.mu/kurashizuku)で配信。
「地方はなかなかお金が集まらない場所と言われていて、商売が難しい場所でもあるんです。でもだからこそ、クラフトマーケットを地方でやる意味があると思いました。都会にいる人はお金はあるけれど、地方にはその分、お金で買えない楽しみがある。天の川が見えたり、海岸で犬を走らせて散歩したり。自然はいっぱりありますから」
九十九里町をはじめ、いすみや一ノ宮などは、都心から車で1時間半ほどの距離にありながら、自然環境に恵まれ、移住する人が多いエリアでもあります。ここには、都内とは違う価値観をもっている人が多いし、作り手が暮らしやすい環境でもあると、阿部さんは言います。阿部さん自身、ここに住むことで、暮らしが変わり、使う道具やものへのまなざしが変わっていったそうです。
作家さんを紹介するインタビュー記事を読み、ものづくりの背景を知ったうえでイベントへ遊びに行くと、作家さんとの会話も弾み、もの選びのきっかけにもなるはずです。自分の暮らしに取り入れたいと思えるような、ものとの出会い、作家さんとの出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか? 作家さんが多く住むという九十九里の暮らしも垣間見れるかもしれません。
文:薮下佳代
INFORMATION
くらしずく
日時:10月8日(日)・9日(月・祝)
場所:千葉県山武郡九十九里町[Sghr菅原工芸硝子敷地内]
公式HP:https://www.kurashizuku.com/
作家紹介:https://note.mu/kurashizuku