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丹波焼の多彩な表情に触れる。「柳宗悦と古丹波」開催中〜11月24日(日)@東京・日本民藝館
「最も日本らしき品、渋さの極みを語る品、貧しさの冨を示す品」
(『丹波の古陶』1956年)
これは、日本民藝館(東京都・駒場)の創設者で、“民芸運動の父”と呼ばれる思想家、柳宗悦〈1889〜1961〉が、古丹波(丹波焼)について評したひと言。
一部の茶陶を除き、それまで日用雑器として扱われていた丹波焼に、自然釉や窯変といった人の作為の及ばない“他力美”を見出し、その美しさに魅せられていった柳。そんな柳が愛した丹波焼の魅力に迫る企画展「柳宗悦と古丹波」が、日本民藝館で開催中です。(〜2019年11月24日まで)
日本六古窯の一つである丹波焼は、兵庫県丹波篠山地区で800年以上前から途絶えることなくつくり続けられている焼き物で、なかでも創成期から江戸時代末期につくられたものは〈古丹波〉と呼ばれ、親しまれています。
日本民藝館では、民藝運動の初期から盛んに灰被(はいかづき)の品が蒐集された柳の晩年までの、300点を超える丹波焼を所蔵。同館の日本陶磁器コレクションの中核を担うこの蒐集は、道具商・尚古堂(しょうこどう)の店主で、のちの丹波古陶館初代館長の中西幸一〈1896〜1969〉、通〈1932〜2003〉の親子二代にわたる厚誼がなければ成しえないものでした。
本展は、日本民藝館が所蔵する丹波焼コレクションの中から約100点、さらには今年開館50周年を迎えた丹波古陶館の約50点におよぶ古丹波を、一堂に見ることができる貴重な展覧会。
中世期、穴窯時代につくられた灰被(はいかづき)の大きな水甕や、登窯が導入された近世以降によくつくられた夕焼けのような色合いの赤土部釉(あかどべゆう)を施したもの、江戸時代後期に開発された流釉・筒描(いっちん)・線彫・白掛といった多彩な技法の品々などが並びます。
ときに素朴で、ときにアバンギャルドな丹波焼は、作品を生み出してきたつくり手たちの創意工夫を感じずにはいられません。丹波焼はもちろん、陶芸や民芸に興味がある方にとっても見応えのある企画展です。
また、会期中の10月26日(土)には丹波焼についてより深く知ることができる記念講演会が開催されます。予約が必要なので、気になる方は早めに申し込みを。
《記念講演会》
「丹波焼と私 ― 灰釉スリップウェアへの道」
講師:柴田雅章(作陶家)
日時:2019年10月26日(土)18:00〜19:30
会場:日本民藝館 大展示室
料金:各300円(別途入館料)
定員:各100名(要予約)
申し込み先:日本民藝館(東京都目黒区駒場4丁目3番33号)
TEL/03-3467-4527(10:00~17:00)
INFORMATION
柳宗悦と古丹波
会期:開催中〜2019年11月24日(日)
場所:日本民藝館(東京都目黒区駒場4-3-33)
交通:京王井の頭線駒場東大前駅西口より徒歩7分
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日 ※祝日の場合は開館し、翌日振替休館
入館料:一般1,100円、大高生600円、中小生 200円
詳細:http://www.mingeikan.or.jp/events/special/index.html
問い合わせ:日本民藝館 TEL/03-3467-4527