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それぞれに違う美しさ。目、耳、鼻、手、足などさまざまな器官に働きかける企画展、『ふれて すすむ まえへ』ドキュメント映像が公開。
昨年11月、神奈川県・ 茅ヶ崎市美術館で開催された、目、耳、鼻、手、足などさまざまな器官に働きかける作品『うつしおみ』を展示する企画展、『ふれて すすむ まえへ -音と光と香りとともに-』。
この展覧会はもともと、神奈川県が推進する「ともいきアートサポート事業」の一環として、“音”と“身体”に焦点を当てたワークショップから生まれました。
ワークショップの主役は、神奈川県立茅ケ崎養護学校の中学生。当日は、作品『うつしおみ』を手掛けたアートユニット・MATHRAXのお2人とダンサーの岡田智代さんがファシリテーター役となり、生徒たち一人ひとりが感じるままに作品に触れ、さまざまなかたちの身体表現が生まれました。
そして今回、ワークショップの様子や養護学校の先生やMATHRAXのお2人のインタビューを記録した、ドキュメント映像が公開されました。
木のオブジェにリズムをつけて触れたり、手を反り返して触れてみたり、握り締めたり、包み込んでみたり。映像では、養護学校の先生と岡田さんへのインタビューとともに、生徒たちが、それぞれのやり方で「触れる」を真っすぐに楽しむ姿が映し出されています。その姿から、目の前にあるものの捉え方や感じ方、そこから生まれる表現方法は一つではないのだということに気づかされます。
ドキュメント映像を撮影した映像作家の松永勉さんは、彼らが作品に触れる様子について、「決して派手な触れ方ではないけれど、指先にまで思いが届いているような、そんな強い印象を受けました。映像を制作していて、改めて彼らの指先のとても豊かな表情に見入ってしまいました」と話します。
一人ひとりが異なる身体や感覚を持つからこそ生まれる、それぞれに違う感じ方、表現の美しさ。ぜひ、その場の空気や時間を優しく映し出す松永さんの映像を通して感じてみてください。
*このワークショップを経て、企画展『ふれて すすむ まえへ -音と光と香りとともに-』がかたちになっていく経緯は、「雛形」のインタビュー記事で紹介しています。
>>「わからない」からはじめる。小さな違和感から生まれた企画展『ふれて すすむ まえへ』ができるまで。インタビュー・藤川悠さん(茅ヶ崎市美術館)
INFORMATION
●神奈川県ともいきアートサポート事業 茅ヶ崎市美術館×茅ケ崎養護学校
『ふれて すすむ まえへ -音と光と香りとともに-』ドキュメント映像
●ともいきアートサポート事業
神奈川県が実施している、アートの力で共生社会の実現を目指す事業。「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念に基づき、障がいの程度や状態に関わらず、誰でも文化芸術を鑑賞、創作、発表する機会の創出や環境整備を行うため、展示や創作活動支援等を実施している。
●茅ヶ崎市美術館
場所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45
電話:0467-88-1177
開館時間:10:00~17:00(入館は〜16:30)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
http://www.chigasaki-museum.jp/