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育児日記から、地震後10年を振り返る。企画展「わたしは思い出す」開催中。@宮城県仙台市

時間の経過とともに、薄れていく記憶。そんな失いかけた記憶や感情を再びよみがえらせるスイッチは、日常の意外なところに隠れていたりします。

今回、新しい視点で記憶をさかのぼる試みとして、とある女性の「育児日記」を通じて地震後の10年を振り返る展覧会、「わたしは思い出す 10年間の子育てからさぐる震災のかたち」が2021年7月11日(日)まで、宮城県仙台市の「せんだい3.11メモリアル交流館」にて開催中です。

本展で展示されるのは、仙台在住のかおりさん(仮名)が初めての出産(2010年6月11日)を機に書き始めた日記やメモを、再読して語られた言葉たち。展示会場の壁面に記された文章は、すべて「わたしは思い出す、」から始まり、鑑賞者はそのフレーズと対になるエピソードが書かれた手元の資料を読みながら、10年間の記憶を遡っていきます。

“わたしは思い出す、14時7分を。”

“わたしは思い出す、知らない人が家に入ってきて大泣きしたことを。”

“わたしは思い出す、納豆ごはん、かぼちゃ、オレンジヨーグルトを。”

今も仙台の街で暮らすひとりの女性の、誰かに届けるはずのなかった言葉。その一つひとつに自分の記憶を重ねたとき、一体何が見えてくるのでしょうか。10年分の育児日記を振り返る作業は会期中も行われ、展示される文章も日を追うごとに増えていくそう。

INFORMATION

「わたしは思い出す 10年間の子育てからさぐる震災のかたち」

日時:~2021年7月11日(日) 10:00~17:00
会場:「せんだい3.11メモリアル交流館」2F展示室
(宮城県仙台市若林区荒井字沓形85-4)
企画:AHA![Archive for Human Activities /人類の営みのためのアーカイブ]
休館日:月曜日、祝日の翌日
観覧料:無料

(更新日:2021.06.10)
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