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日常生活にあるジェンダー・ギャップは、どこから生まれているのか? 5/21(金)〜「女が5人集まれば皿が割れる 여자가 다섯이 모이면 접시가 깨진다」開催。@足立区
近年、「多様性の尊重」や「男女平等」といった言葉が使われるようになってきた一方で、未だに日常生活に溢れている「女だから」「男だから」といった偏見に、もやもやを抱えている人は少なくないのではないでしょうか。
今回、そんなジェンダーにまつわる「問い」をさまざまな形で表現する展覧会、「女が5人集まれば皿が割れる 여자가 다섯이 모이면 접시가 깨진다」が、2021年5月21日(金)~6月6日(日)まで、東京都足立区千住仲町のアートセンター「BUoY」にて開催されます。
展覧会を主催するのは、これまで、トークイベントなどを通じて美術業界におけるジェンダー・ギャップや刑法・性暴力に関するリサーチなどの活動を続けてきた、アーティストやリサーチャーからなるコレクティブ、「ひととひと」。
本展では、女性であることによって生じるさまざまなハンディキャップが社会においてどのような理由・形で生じているのか、メンバー各々の視点・経験・言葉で考察し、作品化したインスタレーションや映像などが展示されます。
東アジアの地域では、昔から騒々しいことや不都合なさま、不吉な出来事と女性を結びつけた表現がしばしば生み出されてきました。今こそあまり使われなくなったものの、日本にも「姦しい(かしましい)」「姦計(かんけい)」など、女性に対する偏見から生まれた言葉が存在します。
展覧会のタイトルは、そんな表現の一つである「木皿を揺らすほどに騒がしい」と女性を揶揄する韓国のことわざ、「女が3人集まれば木皿が揺れる(여자가 셋이면 나무접시가 들논다)」に由来。女性であることにより生じるハンディキャップが、どこから、どのようにして生まれているのか? そんな問いを、展示を通して表現することで、さまざまなジェンダー・ギャップを打ち破る「ひび」が生まれていくことを願って名づけられたといいます。
会期中は、90年代のジェンダー論争や美術教育におけるジェンダー差異、日本・韓国のジェンダーにまつわる歴史などを学ぶことができるトークイベントも開催予定です。この機会に、すぐ側にある偏見の正体について考えてみませんか?
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ひととひと アーティスト・工藤春香、神谷絢栄、Jin Yeowool、リサーチャー・高橋ひかりからなるコレクティブ。性犯罪の背景にある社会構造や美術史、美術業界における国内外のジェンダー・ギャップなどについて勉強・研究・対話を行っている。
HP:https://ningendearu.wixsite.com/mysite
Twitter:https://twitter.com/ningendearu
note:https://note.com/htoh
INFORMATION
「女が5人集まれば皿が割れる 여자가 다섯이 모이면 접시가 깨진다」
日時:2021年5月21日(金)〜6月6日(日)
12:00~19:00(木・金)/12:00~18:00(土・日)
※木〜日曜日のみ開廊
会場:BUoY(東京都足立区千住仲町49-11)
◎トークイベント
with meeting #3「ジェンダー論争・バックラッシュ それぞれの山の登り方について」(仮)
日時:2021年5月30日(日)20:00~22:00
※オンラインにて開催予定
参加料:当日参加チケット/1,500円、アーカイブ視聴チケット/500円(※後日YouTubeにて配信予定)
参加方法:Peatixの専用応募フォームよりお申込みください。
ゲスト:吉良智子(きらともこ)
プロフィール:1974 年東京都生まれ。2010 年千葉大学大学院修了(博士(文学))。日本女子大学学術研究員。著書に『戦争と女性画家 もうひとつの「近代」美術』(ブリュッケ、2013 年。本書において女性史青山なを賞受賞)、『女性画家たちの戦争』(平凡社新書、2015 年)。専門は近代日本美術史、ジェンダー史。EGSA JAPAN(芸術におけるジェンダー/セクシュアリティ教育を考える会)においてハラスメントガイドライン(『美術手帖』2021 年 2月号)作成チームに参加。
※その他のイベント概要は公式HPよりご確認ください。
with meeting #4「日本・韓国 日本軍戦時性暴力から第3波フェミニズムまで」(仮)
日時:2021年6月6日(日)20:00~22:00
※オンラインにて開催予定
参加料:当日参加チケット/1,500円、アーカイブ視聴チケット/500円(※後日YouTubeにて配信予定)
参加方法:Peatixの専用応募フォームよりお申込みください。
ゲスト:梁・永山聡子(やん・ながやまさとこ)
プロフィール:専門は社会学・ジェンダー・フェミニズム研究、社会運動論、朝鮮半島の歴史と社会運動。研究課題はポストコロニアル社会における植民地主義残滓のフェミニズム(旧宗主国と被植民地国におけるフェミニズムの権力関係)。特定 NPO 法人アジア女性資料センター理事、ふぇみ・ゼミ運営委員、在日本朝鮮人人権協会性差別撤廃部会・運営委員、希望のたね基金・運営委員。関東近郊8大学で非常勤講師をしている。在日朝鮮人3世である。著書に共著『社会学理論のプラクティス』(くんぷる)、『私たちの「戦う姫、働く少女」』(堀之内出版)。論文「『他者化』しない姿を模索する ―日本軍「慰安婦」問題解決運動と吉見裁判―」『歴史評論』など。
※その他のイベント概要は公式HPよりご確認ください。
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京/2021 年度一般財団法人川村文化芸術振興財団ソーシャリー・エンゲージド・アート支援助成