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授業に演劇?!豊岡市の最先端&ユニークな教育プログラムを体験できる 「子どもワークショップ」3月4日(土)@学芸大学、参加者募集中!
兵庫県豊岡市が平成27年から段階的に実施している、演劇的手法を用いた最先端の授業「コミュニケーション教育」と、発達段階に合わせて楽しく体を動かす「親子運動遊び」を体験できるワークショップが、3月4日(土)、ノアスタジオ 学芸大スタジオで開催されます!
コミュニケーション教育とは、劇作家・平田オリザさんが指導する演劇手法を用いて、楽しみながらコミュニケーション能力を身につけ、子どもたちの新たな可能性を引き出そうとする授業。豊岡市では、平成27年から段階的に小中学校の授業に取り入れてきました。『雛形』でも過去に授業風景をレポートしました。
REPORT:「子どもの新たな可能性を引き出す、演劇を用いたコミュニケーション教育」
平田さんは、演劇を教育に取り入れることで期待できる効果を、こう説明しています。
「最近、演劇の役割として“合意形成能力”が注目されています。一定時間内に話し合いをして、アウトプットしたり、自分の役割をきちんと果たしたり、誰に何を伝えるかを意識したりする能力で、演劇はこれらを楽しみながら身につけることができるのです」
日本以外の多くの先進国では、中学や高校の選択必修として「演劇」の授業があり、国立大学にも演劇学科が設けられ、コミュニケーションツールとして演劇を利用するというのは、ごく当たり前のことだそう。
演劇的手法を授業に取り入れるといっても、具体的にイメージが湧きにくいかもしれません。実際にどんな授業を行っているかというと、与えられた設定やテーマに沿って、子どもたちがチームを組んで脚本を考えお芝居を披露します。あるいは演じてみたい役(「魔法使い」「石」など、生き物かどうかは問わず)をひとつずつ自由に考え、それらをランダムに組み合わせて、配役ありきでお芝居を作り上げたりもします。
必要とされるコミュニケーション能力
チームワークが重要となるこの授業は、子どもたちが主体的に楽しめるだけでなく、教師にとっても普段の授業では見られないような子どもの一面を発見できる場になっているのです。
そもそもコミュニケーション能力は、学校でわざわざ教えるようなことではなく、おじいちゃんやおばあちゃん、あるいは地域住民との触れ合いを通して、自然と身につけられるものでした。だからこそ、教育現場ではそれほど重要視されてこなかったわけですが、近所づきあいの減少や核家族化により、子どものコミュニケーション範囲は限定されつつあります。しかもその傾向が地方より都市部で顕著になっていることは、想像に難くありません。一方でグローバル化によって、人やモノ、情報が国境を越えて自由に行き来する現代において、コミュニケーション能力の重要性は高まるばかりです。
子どもと一緒に最先端の授業を体験!
ワークショップでは、コミュニケーション教育を体験できるだけでなく、平田オリザさんがその取り組みについて直接お話する、スペシャルな企画も用意されています。
ほかにも豊岡市が積極的に取り組んでいる、幼児とその保護者を対象にした「親子運動遊び」も実施予定。子どもたちの遊びが「動的な」ものから「静的な」ものになっていて、20年前に比べると運動量が半減しているという調査結果も。幼児期の身体を動かす遊びや運動は、丈夫な身体をつくるためだけでなく、「脳」や「こころ」の発達にも大きく役立っているのです。親子運動遊びは、子どもの発達段階に合わせて楽しめる全身運動で、親子のスキンシップが豊富なプログラムになっており、豊岡市では平成19年から導入し、現在は市内37の全保育園・幼稚園・認定こども園、6つの子育てセンター、29の全小学校に取り入れています。
豊岡市のユニークかつ最先端の取り組みを体験できる、絶好のチャンスをお見逃しなく!
平田オリザさん
1962年、東京都生まれ。劇作家・演出家、こまばアゴラ劇場芸術監督、劇団「青年団」主宰。平成27年4月、豊岡市芸術文化参与に就任。コミュニケーション教育の普及に努め、豊岡市のモデル校で同年から試験的に実施。平成29年度から市内すべての小中学校の小学校6年生と中学校1年生の授業として実施を予定している。同市の城崎国際アートセンターの芸術監督も務めている。
文:兵藤育子
INFORMATION
「子どもワークショップ」
開催日:3月4日(土)
会場:ノアスタジオ 学芸大スタジオ/3F Cスタジオ(東京都目黒区碑文谷5-25-10 ノアビル22)
参加費:無料
持ち物:上履き(体育館シューズ等)、水分、タオル
講師:劇作家 平田オリザさん、NPO法人PAVLIC、豊岡市親子運動遊び指導員
申し込み方法:WEBサイト『飛んでるローカル豊岡』のイベントエントリーフォームから。あるいは定住促進係(toyoocome@city.toyooka.lg.jp)までメールでのお申し込みも可能。
応募期限:3月1日(水)
ワークショップ1 「親子運動遊び ~2、3歳児編~」
時間:10:00~10:50
対象:2~3歳の幼児とその保護者
定員:15組もしくは30名
※保護者の参加が必要です(幼児だけでの参加はできません)
ワークショップ2 「親子運動遊び ~4、5、6歳児編~」
時間:11:00~11:50
対象:4~6歳の幼児とその保護者
定員:15組もしくは30名
※保護者の参加が必要です(幼児だけでの参加はできません)
ワークショップ3 演劇的手法を用いた「コミュニケーション教育」
時間:14:00~16:00
対象:10~12歳の児童
定員:50名
*託児サービス:ワークショップ1、2に参加の保護者の方々を対象に、乳幼児の臨時託児スペースを設置。専門スタッフが対応いたします。利用可能年齢は0~5歳。託児サービスの申込期限は3月1日(水)