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タルマーリーのパン、山葵油、森のオイル……「だけじゃない、トットリ展」@横浜・ヨリフネ、11月26日(日)まで開催中!
横浜駅から、東急東横線で1駅。反町(たんまち)の一角に、今年の春オープンした「ヨリフネ」。2015年2月から約2年間、同じエリアで、古書や雑貨を扱うお店「APT # 207」を運営していた船寄真利さんが、新たにオープンさせた器とギャラリーのお店です。
もともとお店があった場所は、ギャラリー「H.Funayose gallery」に店名を変え、夫の船寄洋之さんが運営。協働しながら夫婦でふたつの場をひらいています。
洋之さんは、鳥取県・湯梨浜町の出身。約20年前まで暮らしていた洋之さんと、近年一緒に訪れている真利さんが、内側と外側の目線から鳥取を表現する展示会、「だけじゃない、トットリ展」が、11月26日(日)までヨリフネにて開催されています。
10代後半で都会へ出てきて、故郷を振り返ることなく終えた20代。何もないと思っていた場所は、時の流れとともに新しい風景を見せてくれると、洋之さん。
生まれた場所だから見えるもの、離れているから見えるもの。横浜にふたりが選ぶ鳥取のゆたかな食べ物や作品が集まります。
参加作家の紹介(文:船寄真利さん、洋之さん)
●パン/タルマーリー
タルマーリーのパンは、純粋培養菌を一切使用せず、酵母(イースト)も糀菌も乳酸菌も、野生の菌を自家培養して発酵させています。 野生の菌でつくるパンの最大の魅力は 、「小麦粉、塩、酵母、水」というシンプルな材料。だからこそ、酵母や製法によって食感や味わいが変わってきます。小麦粉の3割は、工房の近辺で栽培された小麦を自家製粉して使用していて、新鮮な粉の香りと味わいは格別です。
「野生の糀を採取するために、自然環境のきれいな里山を探し求めて、鳥取県智頭町に辿り着きました。発酵を起点とした地域内循環を目指そうと思うと、人々との関係がとても大事になってきます。智頭町の人たちはとても温かくて、私たちの夢は一歩ずつ確実に進んでいると思います」
鳥取の自然と、人々だからできること。そんな環境の中で日々焼かれるタルマーリーさんのパンを、ぜひ一度食べてみてください。 びっくりするほどおいしいのです。
※パンの販売は、11月18(土)、25日(土)16:00〜です。
https://www.talmary.com/
●お菓子/HAKUSEN
鳥取県のだいたい真ん中あたり、湯梨浜町(ゆりはまちょう)松崎にある大きな汽水湖「東郷池」。そのほとりに、2015年7月、コーヒー、焼き菓子、本の店「HAKUSEN」がオープンしました。焼き菓子ももちろんおいしいのですが、本のセレクトも素敵で、ハッとさせられることがしばしば。それもそのはず、奥様はもともと栃木県・黒磯で「白線文庫」という古本屋さんを営んでいたそう。窓から見える、ひろいひろい、穏やかな湖面を眺めていると、すーっと心が落ち着いていくのがわかります。
鳥取の好きなところをお伺いしたところ、「自然、素材、人々、海、山、雲、光」という答えが返って来ました。今回はとってもおいしい焼き菓子やハーブコーディアルなど、お任せでお願いしています。この空間にいるのを想像しながらぜひ食べてみてください。
http://hakusen-store.com/
●香り/Float
人工的に作った香りではなく、 自然の香りの恩恵を 脳で感じ、体で感じてほしいと、環境にも人にも安全な香りを届ける、香りのブランド「Float」。
代表の牧野さんは、もともとクリニックなどと提携をし、10年以上マタニティや、不妊外来、女性外来の 患者さんを中心に施術に携わっていました。また講演やワークショップなどでアロマテラピーの普及にも努められていて、植物の恵みである精油をもっと安全に、もっと身近に、もっと取り入れやすく、日々使いやすい形で提案したいということで、オーガニックコスメを企画することに。 牧野さんの製品は余分なものが入っていない上に価格も優しく、嬉しい点がいっぱいです。
鳥取の森でとれたヒノキ100%の精油とクロモジ(鳥取では、貴重な国産のクロモジが取れるそう)を使った シリーズ「森と私と」など、鳥取にちなんだものを中心に、 香りの製品をたくさん届けてくださいます。
http://float.jpn.com/index.html
●オイル/西河商店
今年の8月、鳥取のよく行くご飯屋さんで紹介してもらったのが、このわさびオイルでした。本わさびを使い、国産材料だけで作られた「山葵油(わさびオイル)」。 家庭用チューブのワサビでは出すことのできない香りや風味があり、1、2滴使うだけで料理がグッと引き締まります。ピザやカルパッチョなどの洋食をはじめ、焼き肉、焼き魚、納豆、卵かけご飯などの和食にも相性抜群! パッケージは、昔の漢方薬やお薬をイメージししているそうで、食卓に置きっぱなしにしたくなるぐらいかわいいです。
綺麗で豊富な水が欠かせない、わさびの生育。 西日本最大級のわさび田が広がる鳥取県の関金町は、大山から清流が流れ込むため、良質なわさびが育つのだそう。自然豊かな鳥取だからこそ作れるわさびオイル、関東ではまだ1箇所しかお取り扱いがないそうなので (その一つがS/S/A/W !!!)、ぜひこの機会にお試しくださいませ。
http://www.nishikawashouten.com/
●本/「汽水空港」
数年前、鳥取県の中央に位置する東郷湖のほとりに、ぽつんと一軒の本屋ができました。本屋好きの僕は、帰郷後その情報を聞いてすぐに本屋へ。お店の名前は「汽水空港」。とてもすてきな名前だなと思いながら、お店に足を踏み入れました。当時、山小屋のような店内にはロフトがあって、そこで珈琲を飲みながら、寝転がりながら本を楽しめるという本当に自由なお店でした。古書、新刊やリトルプレスが一面に広がり、店主の森さんの人柄が出ているのか(もちろん出ている)、ミニマムな心配事を想像させる本から、宇宙を創造させる本まで、繊細な本から大胆な本まで、幅広い選書にワクワクさせられました。
そんな汽水空港は、移転リニューアルオープンを計画していました。しかし、準備段階の2016年10月に、鳥取県中部地震が発生し、移転先の建物が傾いてしまい計画は中止に。地震後、すぐに帰省して森さんに会いにいくと、「10分に1回は落ち込む」と落胆の色を隠せない言葉が返ってきました。でも、汽水空港はまたはじまる。そう、森さんは、またきれいな湖畔で本屋「汽水空港」を営む予定で絶賛改装作業中です。今回は、「鳥取」をイメージした選書をしていただきました。リニューアルオープンより一足先に、「汽水空港」をお楽しみください。
http://tmmate4.wixsite.com/kisuikuko
●イラストレーション/杉本さなえ
鳥取県米子市出身で、現在も米子市に暮らす杉本さなえさん。パッケージやロゴ、雑誌やウェブなどのイラストも手がけながら、定期的に個展やグループ展などで作品を発表。ほとんどの絵を、墨汁の墨と朱の2色のみで絵を描いています。かわいらしいようでいて、どこか異世界に迷い込んだ気になる杉本さんのイラスト。ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』のように、実は壁に飾られた絵の向こう側に長い長いお話と不思議な世界が広がっていて、そこに迷い込んで気づいたら時間が経っていたんじゃないかと思うくらい、ずっと絵に入り込んで眺めてしまいます。今回の「だけじゃない、トットリ展」に出展してくださる「Float」さんのパッケージイラストを描いているのも杉本さんです。
「鳥取の好きなところは、何もかもが遠く離れているので、 絵を描くことからも他人事のように距離を保てるところです。あとは、山と海がふつうにいつも傍らにあることです」
https://www.sanaesugimoto.com/
●珈琲/miepump
2017年の夏、「京都の珈琲屋さんが鳥取に移転する」という話が耳に入ってきました。実は、まだお会いしたことのない「Miepump」さんですが、珈琲豆をいただいて、さっそく「mpブレンド3 深煎り」を飲んでみました。深煎りなのに、やわらかな口当たりで甘みもしっかり、すっきりとしてとっても美味しい……。地元でこんなに美味しい珈琲が飲めるなんて……うらやましいです。
現在、鳥取県北栄町で開店準備中をしている真っ最中で、開店後は自家焙煎コーヒー豆の販売、喫茶、ギャラリーのお店になるとのこと。帰省して伺いたい場所がまたひとつ増えました。
https://www.instagram.com/otsuka_toshi/
●ガラス/大家具子
神戸市生まれの吹きガラス作家、大家具子さん。透明でシンプルな日常使いの器を中心に製作し、毎年、個展やグループ展を全国で開催し作品を発表しています。 2014年春に鳥取県倉吉市に拠点を移し、2016年にセレクトショップ「saon」をオープン。
「鳥取の魅力、好きなところを一言でいうと、水の美しさ。 それにいつも触れて暮らしている鳥取の人は、ほんとに素朴であたたかい。 海も川も湖も、いつも大きな空が映っています。 静かで美しい水のある風景が好きになりました」
飾らない関西弁で、商品の魅力を話し出したら止まらない様子は、 嘘のない方なんだなぁと、気持ちよくてお店に行くたびに元気をもらって帰ってきます。
スクリューシリーズのグラスは、うねりがあってひとつひとつ表情が違うのですが、味わい深さだけじゃない、どこかきちんとした安定感が伝わってきます。 それらの定番に加え、 寒くなると出す黒いフチのシリーズや 大家さんらしいスクエア(袋型)の花器、 ドーム、雑穀入れなどをご紹介予定です。
http://saon.jp/
INFORMATION
「だけじゃない、トットリ展」
期間:〜11月 26(日) 定休日:火・水
時間:12:00~18:00
場所:器とギャラリー「ヨリフネ」 ( 横浜市神奈川区松本町3-22-2 ザ・ナカヤ101) アクセス:東急東横線・反町駅から徒歩5分
イベントHP:http://apt207.theshop.jp/blog/2017/11/02/162708
【TALK EVENT】
『移住から考える、鳥取の魅力』
日時: 2017年11月25日(土)開場:19:00 開始:19:30
ゲスト:河井菜摘(修復専門家)、森 若奈(『雛形』編集長 )
参加費:1,500円(ワンドリンク付き)
申込方法:氏名・年齢・ご連絡先・参加人数を下記アドレス宛にお送りください。 hiroyuki.funayose@gmail.com
*河井菜摘さんのインタビュー記事はこちら。