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身の回りのモノを見つめ直すきっかけに。モノが語る“物語”に耳をすます展示会、「モノ語り展」開催中!@横浜市
自分と身の回りのモノとの
関係性を考える
どこで、どんな風に生まれたのか。ヒトに人生があるように、モノにも物語があります。
暮らしが大きく変容するなかで、「自分に必要なモノ」や、使う頻度や使い方など「モノとの距離感」が変わった人も多いのではないでしょうか。
モノが持つ物語を知り、生活のなかにあるモノとの関係性を見返す。そんなきっかけを提案してくれる展示会、「モノ語り展」が神奈川県立地球市民かながわプラザ(以下、あーすぷらざ)にて、6月20日(日)まで開催されています。
モノが持つ“物語”を、“モノ”が“語る”
カバン、財布、シャツ、てぬぐいなど、「モノ語り展」の会場に展示されているのは、私たちの生活に寄り添うモノ。装置に手をかざすと、それらがどのような思いから生まれ、どんな素材が使われ、どんなメッセージを持っているかなど、モノが持つ歴史や物語が「声」として、音声で流れてきます。
「“読む”よりも“聞く”という体験のほうが、体のなかに入っていくのではないかと思い、モノの『声』が聞こえる仕組みを考えました。
あと、ここあーすぷらざは、「こどもの国際理解展示室」や「こどもファンタジー展示室」など、子どものための常設展があるので、普段から親子連れが多く訪れます。お子さんも『声』で聞こえてくると、自然と興味を持ってくれるではないかという思いもありましたね」
こう話してくれたのは、今回の展示を企画した中心人物である、あーすぷらざの髙瀬楓さん。スタッフのなかで話し合いを重ねながら選んだというモノは、今まではゴミとして捨てられていたモノや、その土地でしかとれない特有の素材を活用したモノなど、環境や社会に配慮されています。
「私たちが今回集めたモノは、ある角度から見れば『エシカル』なものとも言えるかもしれません。でも、その言葉を使うことで見えなくなってしまうことがあるかもしれないと、あえて使わないことにしました。
ここに訪れてくださった方が、家に帰って、身近なモノの背景に興味を持ってくださったり、見直したり、見返すきっかけにしてくださったらなと思っています」

「海洋プラスチック イヤリング」(カエルデザイン)。海に捨てられているプラスチックを回収して、アクセサリーに加工したもの。商品ごとに、どこの海で拾われたものか書かれている。

ブラジルの一部の湿原だけに生息し、“黄金の草”と呼ばれている「カッピンドウラード」でつくられたらアクセサリー。水や光に強く、植物というこもあり驚くほど軽い。
展示アイテム
展示されている商品の一部を、展示会場で購入することができます。(順序不同)
◆ 株式会社モノファクトリー https://www.monofactory.com/
◆ 島津冬樹/Carton https://carton-f.com/
◆ SALASUSU https://salasusu.com/
◆ ワイエスインターナショナル株式会社 http://www.ys-international.co.jp/
◆ 株式会社かまわぬ https://kamawanu.jp/
◆ 一般社団法人 さがみ湖森・モノづくり研究所 https://morimo.or.jp/
◆ カエルデザイン https://kaerudesign.net/
◆ リマテック東北株式会社 ATARA事業部 http://atara-iwate.com/
◆ NPO法人循環生活研究所 https://www.jun-namaken.com/
◆ PICHU PICHU TOKYO https://pichupichu.tokyo/
◆ NUDGE(ナッジ)https://www.nudge-jewelry.com/
◆ 高坂美和/フラワーサイクリスト https://www.instagram.com/miwa42kzk10/
◆ Bio Jewelry Coloridas (ビオジュエリー コロリーダス)http://coloridas.jp/
物々交換会「xChange」も開催中!
会場内では、誰でも参加できる物々交換会「xChange(エクスチェンジ)」も開催中。家にあるモノを1点持っていくと、誰かが持ってきたモノ1点と交換することができます。それぞれに、モノに秘められたエピソードやメッセージなどが書かれたエピソードタグが付いていて、会ったことのない前の持ち主と新しい持ち主が気持ちでつながれる仕組みになっています。

プライスタグのかわりに付けられている、エピソードタグ。服の思い出や、次のもらい手へのメッセージが書かれています。
直接人と会う機会が減り、SNS上で文章を「読む」ことや、動画や写真を「見る」ことは増えていますが、残念ながら直接「聞く」機会は減少しています。
そんななか、モノの物語が「声」として流れ、それらを「聞く」ことができる「モノ語り展」。声を聞いてモノの向こう側に広がる景色を想像することは、心を寄せることにも近いかもしれません。生活のなかにあるモノに耳を澄まし、自分の暮らしをあらためて見つめてみませんか?
INFORMATION
「モノ語り展」
日時:〜2021年6月20日(日)
10:00~17:00 ※祝日を除く月曜休館
場所:神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)3階 企画展示室
神奈川県横浜市栄区小菅ケ谷1–2–1
アクセス:JR根岸線「本郷台」駅 徒歩3分
TEL:045-896-2121
HP:www.earthplaza.jp/event/monogatari
instagram公式アカウント:@monogatariten
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