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【奥多摩、八丈島、新島・神津島・調布・府中】東京の自然資源を活かす、東京都の新プロジェクト「Nature Tokyo Experience」がスタート!

緑生い茂る奥多摩や、エメラルドグリーンの海に囲まれた島々など、東京には都心部の街並みからは想像できないような豊かな自然が広がっています。そんな東京の自然に着目して、貴重な地域資源を活用した事業を応援するプロジェクト「Nature Tokyo Experience」。

東京の自然をより身近に感じることで、働く場所、遊ぶ場所、暮らす場所として、東京という場所そのものの捉え方が変わるきっかけになるかもしれません。

羽田から飛行機で45分で行くことができる、八丈島では、ウミガメに出会うことができる。

羽田から飛行機でわずか45分で行くことができる八丈島では、ウミガメに出会うことができる。

東京の自然という別世界

「自然豊かな場所で暮らしたい」と思ったとき、高層ビルの立ち並ぶ風景や、多くの人が行き交う街並みが真っ先に浮かぶ“東京”を選択肢に入れる人は少ないはず。しかしそれはあくまでも東京の一部でしかなく、この大都会には豊かな自然もあるのです。

たとえば濃い緑の山々に抱かれて、渓流や滝が涼やかに流れる奥多摩エリア。都心から2時間ほどでアクセスできるこの地には、トレッキングや釣りなどのアウトドアを楽しむ人に魅力的なフィールドが広がり、週末だけ自然の中で暮らす二拠点居住にも最適なエリアです。

新島からの景色。向こうに見えるのは、式根島(しきねじま)。

新島からの景色。左奥にうっすら見えるのが、神津島。手前は、式根島(しきねじま)。写真:松永 勉

一方、島しょ地域である伊豆諸島や小笠原諸島はエメラルドグリーンの海に囲まれ、島独特のゆるやかな時間が流れています。都会の喧騒を逃れて自然を満喫しようと思うと、どうしても距離的に遠い土地へ目が向きがちですが、アクセスが便利な奥多摩や伊豆諸島は、まさに灯台下暗し! 移住や二拠点居住の観点からも、多くのポテンシャルを秘めています。

新島。仕事の前にサーフィンをする人も。写真:松永 勉

新島。仕事の前にサーフィンをする人も。写真:松永 勉

そんな東京の自然に着目して、それらを活用したプロジェクトを応援しようというのが、「Nature Tokyo Experience」。民間事業者から“体験型エンターテイメント”を募集した結果、選ばれた3つのプロジェクトが進行中。 ユニークな体験を通して、東京を見直すきっかけにもなる、さまざまな可能性を秘めたプロジェクトを紹介します。

奥多摩に誕生する、
世界で一番美しいアウトドアフィールド

近年、アウトドアシーンで注目が高まっているグランピング。そのルーツは、ヨーロッパの貴族がアフリカへ狩猟に行く際、贅沢な家具や調度品などを持参して寝泊まりしたことだといわれています。このプロジェクトを手がけるNOX Intervillageは、日本で唯一の移動式グランピング集団「CIRCUS OUTDOOR」として、本格的なグランピング事業を展開。これまで日本中のフィールドを周って最適な土地を探しながら、各地でグランピングイベントを実施してきました。そして「東京の森に世界で一番美しいアウトドアフィールドを作る」ことを目標に掲げる同ブランドが行き着いたのが、奥多摩の地。

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しかも、従来のような期間限定のイベントではなく、今回初めて常設型のグランビングを展開することに。舞台となるのは奥多摩湖を眺望できる傾斜地で、地形を生かしながらテントや関連施設を設置。キャンプの概念を覆すゴージャスなテントに宿泊できるほか、地元の素材を生かしたグランピング料理を提供するレストラン、入浴施設なども併設される予定です。NOX Intervillage代表の石山 学さんは、「レストランでは地元の農家さんが作る野菜を使いたいですし、ゆくゆくはこの場ができたことで、奥多摩の地で雇用も増やせたらと思っています。また、ここに来たことがきっかけで奥多摩に住んでみたいと思う人が出てきたらいいですね」と、地域との関わり方についても話してくれました。ひと味違った自然との触れ合いは、東京の郊外だからこそ非日常感が高まるはず。2018年3月の本格オープンを目指し、現在プロジェクトが進んでいます。

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文化と料理の関係。
ガストロノミーツーリズムで島を知る。

ガストロノミーとは、食べることでその土地の文化・歴史と料理の関係を学ぶ「美食学」。東京はおいしいものが日本全国はもとより、世界中から集まってくる有数の都市ですが、食材の生まれた環境まではなかなか見えにくいもの。

伊豆諸島は、そんな東京において農作物や魚介類の貴重な生産地。あしたばやらっきょうなどの島野菜や、アカイカ、キンメダイ、伊勢エビ、カンパチなどが特産として知られています。こうした伊豆諸島の豊かな食文化を伝えるために、USPジャパンと、調布アイランドが連携したプロジェクトが「TOKYO ガストロノミーツーリズム」。

寿司ネタをヅケにして、甘めのシャリで握る島寿司。江戸前寿司をより温暖な伊豆諸島で食べるために、独自に発達した寿司で、ワサビではなくカラシを使うのがポイント。ワサビが手に入らなかったため、カラシで代用したのが始まりだとか。

寿司ネタをヅケにして、甘めのシャリで握る島寿司。江戸前寿司をより温暖な伊豆諸島で食べるために、独自に発達した寿司で、ワサビではなくカラシを使うのがポイント。写真:松永 勉

大島、新島、神津島、三宅島の各島と本州を飛行機でつなぐ“伊豆諸島の玄関口”である調布地域で食を体験できるイベントを実施したり、新島では野菜の収穫体験や、地元の人との交流を楽しむツアーも11月に開催。このツアーには、スペシャルサポーターである作家の椎名誠さんも参加を予定。「うまい!」という実感から、島のどんな姿が浮かび上がってくるのか、期待高まるイベントがもりだくさんです。
11月11日(土)・12日(日) あめりか芋収穫と島焼酎の「島食大宴会」@新島

12月9日(土)多摩の食材と島の食材をコラボした「鍋と大型魚の捌き体験」@府中市プラッツ
その他、イベントやツアーの詳細、お申込みはこちらから。

くさやの原料となる魚は、青むろあじ、トビウオ、サバ、サメなど。見学させてもらった池太商店ではこの日、青ムロアジのたたきを作っていた。

くさやの原料となる魚は、青むろあじ、トビウオ、サバ、サメなど。新島・池太商店ではこの日、青ムロアジのたたきを作っていました。

八丈島で、満点の星空をひとりじめ
「星降るプレミアムデッキ」

同じく伊豆諸島の八丈島は、羽田から飛行機で45分ほどでアクセスできる“南国”。都心から最も早くウミガメと出会える島としても知られています。さらに1、2年前から周辺の海にクジラが現れるようになり、ホエールウォッチングの新たなスポットとしても注目されています。

そんな自然あふれる八丈島を舞台に、1日1組限定の「星降るプレミアムデッキ」が誕生します。八丈島を代表する宿泊施設「リードパークリゾート八丈島」のホテル敷地内に設置される、グランピングデッキの上で、冬でも寒さを凌ぎながら星空を楽しむことができます。

プロデュースするのは、トレンドアクティビティを次々と打ち出しているASOBIBA。八丈島との関わりも深く、昨年からは廃校を利用して起業や地域文化などを大人が学ぶ「八丈島熱中小学校」に特任用務員として参画しています。

八丈島を覆う夜空の星。(写真:一般社団法人八丈島観光協会)

八丈島を覆う夜空の星。(写真:一般社団法人八丈島観光協会)

もうひとつの「島コンシェルジュ」は、スマートフォンのチャット機能を活用したサポートサービス。登録すれば誰でも利用可能で、島の達人であるスタッフが訪れる人のコンシェルジュとなって、島での遊びや食事、宿泊などさまざまな疑問に答えてくれます。通り一遍の回答ではなく、訪問者の友だち感覚で親身になってアドバイスしてくれるのがポイント。使い方次第で島の楽しみ方や理解度も深まりそうです。「星降るプレミアムデッキ」のオープンに合わせスタート予定。

八丈島、硫黄沼。

水の中に硫黄が溶け込み、その時々の天気によってさまざまな色合いが楽しめる、八丈島の硫黄沼。

東京の自然に寄り添い、体験する。この発想が東京の新たな魅力を引き出してくれるはずです。

文:兵藤育子

INFORMATION

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豊かな山々に囲まれた多摩、青空と海が広がる島しょ、都市ならではの湾岸の景観が楽しめる水辺。日本の中心都市の顔とはちがった、東京ならではの自然エリアに注目し、新たな体験型エンターテイメントを創出するプロジェクトをサポートするプロジェクト。
http://www.naturetokyoexperience.com/

 

(更新日:2017.10.23)
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