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大地、宗教、国境……。「境界線」はどこに存在するのか?世界を旅する写真家・竹沢うるまさんの写真展『Boundary|境界』開催。@大阪・東京
田舎と都会、家の中と外、人種や性別など、私たちは普段からたくさんの「境界」に囲まれています。はっきりと目に見えなくても、誰もがその線引きを感じながら暮らしている、不思議な存在です。

今回、そんな「境界」の正体に迫る写真展、『Boundary|境界』が、大阪府大阪市の「キヤノンギャラリー大阪」にて、2021年7月20日(火)~7月31日(土)に開催されます。また、4月にコロナにより中断となった東京展は、2021年8月24日(火)〜9月4日(土)、東京・銀座の「キヤノンギャラリー銀座」にてアンコールが決定しました。
写真展は、世界を旅する写真家・竹沢うるまさんによる約5年ぶりとなる写真集、『Boundary|境界』の発売を記念して開催。これまで、人種問題や国境紛争などさまざまな「境界」を目の当たりにして来た竹沢さんが、アイスランドに広がる圧倒的な「自然の大地」と、アフリカ、南米、チベットなどに広がる「人間の大地」の対比を通じて、「境界」とは何かを問いかける内容となっています。
「私がこの本で伝えたかったのは、我々も大地の一部であり、その視点を持つとき、いま目の前に存在する大半の境界は消えるということである。その象徴として、白と黒の世界を自由に行き来する鳥の存在がある。自然の風景も、人間の営みも、どちらも同じ大地の一部なのだ。」 (『Boundary|境界』「あとがき」より)
自然の営みと人間の営み、2つの世界を鳥の視点で行き来するように並べられた写真たちが、読者を世界各地の旅へと導きます。

写真:竹沢うるま
本展では、アイスランドで撮影された「自然の大地」と、日本の国東半島で撮影された「人間の大地」からなる、約 25 点の写真が展示されます。
自然の世界と同時に存在する、宗教や国境。「境界」はどこに存在しているのか? 竹沢さんによって切り取られた風景を通じて、さまざまな「境界」に思いを馳せてみませんか。
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竹沢うるま 1977年生まれ。同志社大学法学部法律学科卒業。在学中、アメリカに1年滞在し、モノクロの現像所でアルバイトをしながら独学で写真を学ぶ。帰国後、ダイビング雑誌のスタッフフォトグラファーとして水中撮影を専門とし、2004年よりフリーランスとなり、写真家としての活動を本格的に開始。これまで訪れた国と地域は140を越す。2010年~2012年にかけて、1021日103カ国を巡る旅を敢行し、写真集『Walkabout』と対になる旅行記『The Songlines』を発表。2014年には第3回日経ナショナルジオグラフィック写真賞受賞。2015年に開催されたニューヨークでの個展は多くのメディアに取り上げられ現地で評価されるなど、国内外で写真集や写真展を通じて作品発表をしている。
公式HP:https://uruma-photo.com/
INFORMATION
◎大阪会場
日時:2021年7月20日(火)~7月31日(土) 10:00〜18:00
会場:キヤノンギャラリー大阪(大阪府大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト 1F)
休館日:日曜日、月曜日、祝日
観覧料:無料
◎東京会場
日時:2021年8月24日(火)〜9月4日(土)10:30~18:30
会場:キヤノンギャラリー銀座(東京都中央区銀座3-9-7 トレランス銀座ビルディング 1F)
休館日:日曜日、月曜日、祝日
観覧料:無料
写真集『Boundary|境界』(青幻舎)/6,600円(税込)
4年半ぶりとなる新作写真集。アイスランドで撮影された圧倒的な自然の大地。アフリカ、南米、チベットなどに広がる人間の大地。そのふたつの世界を鳥に導かれ、「境界」の先へと旅する写真集。
(オンラインで購入可)
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