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静岡県・浜松市出身の写真家・若木信吾写真展「XX」開催ーー17冊の本で振り返る、出会っては撮る20年
静岡県・浜松市出身の写真家・若木信吾さんの写真展「XX」(ダブルエックス)が、10月10日(土)から11月3日(火・祝)まで、浜松の鴨江アートセンターにて開催されます。

Lawrence Weiner / 2003年
浜松に生まれ育ち、アメリカの大学で写真を学んだのち、1997年に写真家としてデビューした若木さん。当初からドキュメンタリーの手法を用いた撮影スタイルで、東京を拠点にコマーシャルやファッションの撮影で活躍しています。
そんな多忙な日々の中でも、たびたび訪れていたと言う故郷の浜松。そこで仕事、プライベートでも多くの出会いを生み、それを通じて印象的なポートレートを数多く残してきました。
若木さんが13歳の頃から撮り続けた祖父のポートレートをまとめた『Takuji』『young tree』、ウォルフガング・ティルマンス、ジム・ジャームッシュ、ローレンス・ウィナー、坂本龍一、安藤忠雄など、10 年にわたり撮り続けてきたコンテンポラリーアーティスト

young tree / 2001年
2007年には初映画監督作品『星影のワルツ』、2009年に第2作目『トーテムSong for home』、2015年には『白河夜船』(原作:よしもとばなな)が公開され、映画監督としても活躍し、国内外から高い評価を得るなど、若木さん幅広い活躍が、浜松市にも認められ2014年度「浜松市教育文化奨励賞・浜松ゆかりの芸術家」を受賞。2010年にオープンさせた本屋「BOOKS AND PRINTS」も6年以上がたち、浜松の町の本屋さんとして定着し、この土地を代表する欠かせない作家です。
そして、2015年に刊行された最新作『英ちゃん 弘ちゃん』では、15年に渡って撮影を続けてきた幼なじみのポートレートと故郷の風景で構成。その表情や仕草、それを取り巻く空気まで、若木さんの視点や距離感でしか見えないもの。私たちは、そこに刻まれた時間や写し出された記憶の中にひきこまれていくような、情熱を受け取ることができます。

英ちゃん 弘ちゃん / 2015年
過去に出版された17冊の作品集を中心に、若木さんが撮り続けてきた「ポートレート」の系譜をひもといていく今回の展示。
浜松という土地、そこで生まれ暮らしてきた記録。故郷の風景。祖父、友だち。大切な人々。自分の中に残る記憶ーーー1枚1枚の写真にこめられている力強さと、にじむ伝言。そこから感じとるものに心揺さぶられながら、あらためて自分と写真の関係を思い起こさせてくれるはずです。ぜひ訪れてみてください。
INFORMATION
「若木信吾写真展 XX 」
日程:2015年10月10日(土)〜11月3日(火・祝)
会場:鴨江アートセンター(静岡県浜松市中区鴨江町1番地)
時間:9:30〜21:00 入場無料
主催:浜松市
浜松市教育文化奨励賞 浜松ゆかりの芸術家 平成26年度受賞 顕彰記念事業
《関連イベント》
若木信吾アーティストトーク
※参加無料・要予約
トークゲストに鈴木康広さん(浜松ゆかりの芸術家 平成23 年度受賞 アーティスト)をお迎えして、本展示の見どころについてお話します。
日程:10月25日(日)
時間:15:00-17:00
定員:60人 中学生以上(先着順)
場所:鴨江アートセンター 101号室
クラシックレコードを聴く会
※参加無料・要予約
「クラシックモーニングサタデー/サンデー」
ゲスト:綾部徹之進氏(レコード過剰愛好家)
若木さんの監督第一作目となる映画「星影のワルツ」のエンディングでかける曲を探し求めて入ったクラシックレコード屋さんで意気投合し親しくなったふたり。そんなふたりの課外活動「クラシックレコードを聴く会」を浜松で開催します。週末の朝に少しだけ早起きしてレコードを楽しみませんか。
日時:10月10日(土)10:00-11:30
10月11日(日)10:00-11:30
定員:各回50人 中学生以上(先着順)
場所:鴨江アートセンター 101号室
会期中、多数のゲストを招いてトークイベント開催予定。
10/10(土)、10/11(日)、10/24(土)、10/25(日)、10/31(土)、11/1(日)
詳細はhttps://www.facebook.com/shingowakagi.photoexhibition まで!
◎イベント申込方法
9月10日(木)から電話またはEメールで、氏名、年齢、住所、電話番号、希望するイベント名を鴨江アートセンターまで。
住所: 静岡県浜松市中区鴨江町1番地
電話:053-458-5360
E-mail: k.a.c@kamoeartcenter.org
PROFILE
若木信吾/わかぎ・しんご
写真家、映画監督。1971年静岡県浜松市生まれ。ニューヨーク州ロチェスター工科大学写真学科卒業後、雑誌・広告・音楽媒体など、幅広い分野で活躍。自身の祖父を撮り続けた代表作の写真集「Takuji」が、国内外で高い評価を受ける傍ら、雑誌「youngtreepress」の編集発行、映画『星影のワルツ』の制作、2010年には故郷の浜松に書店「BOOKS AND PRINTS」をオープンさせるなど、活動の場を広げている。映画 監督として第三作目の映画『白河夜船』(原作:吉本ばなな)が2015年春より全国順次公開中。15年間撮り続けた幼なじみ「英ちゃん 弘ちゃん」(amana)の新作写真集も好評発売中。
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