INTERVIEW

複雑な色で成り立つ社会のなかで。
想像しながら、生きていく。

その他

 

 

文:小谷実知世 イラスト:MARUU

私たちが今立っている場所は

多様性、ダイバーシティという言葉が街に溢れ、最近は、インクルージョン(包括・包含)という言葉も聞かれるようになった。

日本に住む外国人は、2019年度の総務省の人口動態調査によると、約266万人と過去最多を更新(ちなみに名古屋市の人口は約230万人)。東京都では20歳代の10人に1人が外国人だという。2019年4月には改正出入国管理法が施行され、外国人の数はさらに増えていくことが予想される。

また、me too運動の盛り上がりにより、さまざまな女性の声に焦点があたり、性的指向やジェンダー・アイデンティティを表す言葉として生まれたLGBTという言葉は、さらに多様な人々を表現するため、LGBTQIA+と、文字を増やしている。

こうした時代の流れは、とてつもなく早くて、明日にもまた、新しい言葉が生まれるかもしれない。私たちは今、そういう社会を生きている。

どんどん生まれてくる言葉や、数字や現象が表すのは、私たちが関わる人や社会が “複雑”になってきている、ということではないかと思う。あるいは、そのことに目を向けはじめた、ということかもしれない。これまで一色だと感じていた家族が、町内が、会社が、街が、もっとさまざまな色合いで成り立っているということに。それには、時代の潮流やSNSの普及も後押ししているだろう。

 

そうして私たちは今、「誰もが自分らしく生きるには?」「みんなが混ざって暮らすには?」を考える、出発点に立っているのではないだろうか。

ここからの道のりは、ワクワクするようなエネルギーを含みながらも、同時に戸惑いや面倒に感じることも生じさせるだろう。なぜなら、異なる文化や考え、思いを持つ同士が、ともに歩むことになるからだ。

そんな時、手がかりとなるのは、想像する力、想像できるだけの交わりや情報ではないかと思う。

だから、この道のりの先を行き、「誰もが自分らしく生きる」「混ざって暮らす」ことに向き合い、場をつくる人たちから、想像する力や想像できるだけの情報を得るための知恵や術を教えてもらいたいと思う。

戸惑いがあっても、時間がかかっても。
想像しながら、生きていく。
それはきっと、これからを生きるうえで、とても大切な力になると思うのだ。

 

特集「想像しながら、生きていく」

第一弾:インタビュー「異国で自信をなくした女性たちと、 “目を合わす”料理の力。」
「神戸アジアン食堂バル SALA」店主・黒田尚子さん

「神戸アジアン食堂バル SALA」は、日本で暮らすアジア人女性の雇用を生むために誕生した、珍しい食堂だ。結婚や夫の仕事の関係などをきっかけに日本にやってきて、もともと料理人ではない彼女たちが朝夕日替わりで、自国の料理をつくっている。なぜ黒田さんは、SALAを開くことになったのか?  こちらから>>

 

 


取材・文:小谷実知世
こたにみちよ/ライター・編集者。京都市生まれ。大阪、東京を経て、現在は神奈川県・逗子市在住。インタビューをするなかで、話す人のおなかの中にある思いが溢れてくる、その瞬間に出会うのが一番のよろこび。写真家・田所瑞穂さんとのユニット、khorlo(コルロ)において、『ヨミモノコルロ』を発行中。


 

(更新日:2020.03.30)
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