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ユニット「風景と食設計室 ホー」による展覧会『台所に立つ、灯台から見る』開催中@黒部市美術館
「遠くの風景と、ひとさじのスープ。世界とわたしの手のひらは繋がっている。」をコンセプトに活動している、高岡友美さんと永森志希乃さんによるアーティストユニット「風景と食設計室 ホー」。

撮影:柳原良平
おふたりには、以前、「雛形」主催のイベント「見えない世界」にて、朗読と食事の会「見えないものを食べている」をひらいていただきました。また、「雛形」の特集記事では、永森志希乃さんに、「風景と食設計室 ホー」をはじめるまでのお話や、食を通して表現する日々の暮らしについてお話いただいています。
▼「遠くへ出かけたら、もっとここが見えてきた。食を媒介に空気をつくる 「風景と食設計室 ホー」>>
「風景と食設計室 ホー」の創作は、さまざまな土地へ赴き、そこで出会う食べ物が、目の前の風景がどこから来ているのかということをじっくり考えることからはじまります。そして、そこで見聞きした一つひとつの言葉やエピソードを物語として紡ぎ、「食」を媒介として、ひとつの作品となるのです。朗読と食事のパフォーマンスやインスタレーションなど、体験を鑑賞者と共有する形の作品は、その時、その場でしか味わえない身体の記憶として残ります。
そんなおふたりが、富山県黒部市の山辺と海辺を中心にリサーチしてつくり上げた新作の展覧会『風景と食設計室 ホー 台所に立つ、灯台から見る』が、黒部市美術館で開催されています。(〜12月20日まで)

すべて 撮影:柳原良平
黒部ダムができた当時の話、遠洋漁業で出稼ぎをした人の思い出、戦前の南米移住の歴史……など、黒部でのリサーチを通してふたりが感じ、受け取ったものを、本展では物語/テキスト(パンフレット)、映像、ドローイング、造作物、公開映像(ウェブ配信)などで構成。時代とともに変わっていくものと変わらないもの、そこから地続きにある私たちの暮らしや生き方を問うインスタレーションです。
また、展示とあわせて本展の特設サイトでは、会場で流れている「食事と朗読の記録」の映像を公開中。さらに、ホーのふたりが制作背景や作品について語るアーティストトークもウェブで配信されています。より深く作品の世界に触れたい方は、会場での鑑賞とともにぜひチェックしてみてください。
◎特設サイト
https://www.hoo-landscapeandfoodworks.com
◎WEB配信アーティストトーク
https://www.youtube.com/watch?v=xKvWEKuAByM
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風景と食設計室 ホー 東京と富山を拠点に活動する高岡友美と永森志希乃によるユニット。ランドスケープデザイン事務所勤務を経て、2012年3月より活動を開始。フードプレゼンテーション、アートプロジェクト、デザインなど幅広く手がける。主な作品に、《醗酵する部屋》(ベップ・アート・マンス2012、2012年)、《月出る処、今と昔》(中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックス、2014年)、《見えない神さま―粕川の祈りとたべもの》(「フードスケープ 私たちは食べものでできている」、アーツ前橋、2016年)、《明日の食卓》(東アジア文化都市2018金沢「変容する家」、2018年)などがある。
https://hoooooooooooo-blog.tumblr.com/
INFORMATION
会期:〜2020年12月20日(日)
会場:黒部市美術館(富山県黒部市堀切1035 黒部市総合公園内)
※月曜休館
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00まで)
料金:一般500円、高校・大学生400円
(中学生以下無料、障害者等手帳をお持ちの方と付添1名無料)
お問い合わせ:黒部市美術館 0765-52-5011
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