特集 まちとアート
アートは思い出を再現し、新しい暮らしの風景を描く。 【奥能登国際芸術祭】 写真・文:男子休日委員会(台湾)
「君の暮らしは、遠くから来た私の風景。」
これは、生活と旅をテーマに創作活動を行う、台湾のユニット「男子休日委員会」のコンセプト。
今まで、北海道・積丹半島、京都府・左京区、バルセロナなど、日本をはじめとするローカルな地へ足を運び、日常の風景を切り取ってきた。見慣れた日本の景色は、彼らのまなざしを通すと、愛おしい記憶の風景となっていく。
男子休日委員会は、男子といっても、女性1人と男性2人の3人組。縁の下の力持ち、編集担当のAzona、ちょっぴりシャイな写真担当の奕凱、スピッツ大好き、原稿担当のdatoは、普段はそれぞれ別々の仕事をしながら、時間を見つけて世界を旅している。
秋の気配がうっすらと漂いはじめたある日、さまざまな暮らしを旅してきた3人が、現在開催中の「奥能登国際芸術祭2017」の舞台、石川県・珠洲市にやってきた。
日本最先端の地をめぐる、旅の記録。
写真・文:男子休日委員会 通訳:鄒 秋樺 翻訳:津村あおい
男子休日委員会 Board of Boys’ Day Off
台湾の創作ユニット。意気投合したdato、奕凱とAzonaの3人が2012年に結成。「你的生活是我遠道而來的風景(君の暮らしは遠くから来た私の風景)」というコンセプトで、「休日」をテーマに暮らしと旅行をめぐる創作活動を展開している。台湾の無印良品の「MUJI to GO」、香港Airbnb、Lomographyなどのブランドとのコラボ企画や、著作に『台湾男子がこっそり教える! 秘密の京都スポットガイド—左京区男子休日』と『北海道央男子休日』の2冊がある。
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奥能登珠洲休日
奥能登・珠洲の休日
在夏天快過完的時候,我們收到來自遠方友人堀內先生的訊息,正忙於「奧能登國際藝術祭」的他,邀請我們到能登半島的珠洲市走走,這地名對於我們來說好陌生,未曾踏足過的遙遠角落引起了我們的興趣,於是欣然接受邀約,帶著好奇心出發。
そろそろ夏も終わろうかというころ、ちょっと遠くにいる友人、堀内さんから連絡をもらった。「奥能登国際芸術祭2017」の広報を担当する堀内さんは、準備で忙しい中、能登半島の珠洲をぶらぶらしてみないかと誘ってくれた。聞いたことのない地名だったけれど、遠くにある未踏の街かどに興味が湧いたので、うきうきしつつ申し出を受け、好奇心に胸をふくらませて旅に出た。
珠洲市位於能登半島最前端,在古代海航運最興盛的時期,這裡是日本對外要衝,往來各地的船隻皆停靠於此,珠洲因而繁榮起來,只是後來交通體系由海運轉為陸運後,這裡反倒因為地處偏遠而風華淡去,就像日本許多新幹線到不了的偏鄉一般,人口也日益流失。出發前,翻閱著堀內先生之前寄給我們的、也是《雛形》的森小姐擔任總編輯的《おくノート》免費地方誌,發現如今的珠洲或許不再如往日璀璨,但珠洲得天獨厚的鄉土文化與景觀,倒也因為交通上難以抵達,反而得以保留、引人入勝。
珠洲市は能登半島の先端にある。海運華やかなりしその昔は、海外との往来の要衝で、各地を行き来する船がすべてここに停泊し、珠洲も栄えたものだった。しかし物流の中心が水上から陸上になるにつれ、今度はへき地であることがあだとなり廃れていく。それはまるで新幹線の通らない地方のように、人口も徐々に流出していったという。堀内さんが前もって送ってくれた、「雛形」編集部の森さんが編集した芸術祭公式フリーペーパー「おくノート」を開いてみると、昔の輝きはすでにないものの、交通の便が悪いことがむしろ幸いして、独特の郷土文化や風景が手つかずのまま残っているとか。なんとも魅力的ではないか。
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我們從羽田機場搭乘一日僅兩班往返的班機往能登,降落前看到朝海平面綿延整片的原生林,靠窗邊的奕凱和Azona忍不住驚呼:「好像要降落到樹海裡面一樣!」下機時,拿到空服員發的感謝搭乘證書,謝謝旅客提升了載客率,可愛得令人會心一笑。才出關,從行李轉盤往外一望,堀內先生和森小姐早已遠遠地在機場大廳朝我們揮手了,「好久不見!」久違兩人的笑容,就和外頭風和日麗的天氣一樣燦爛。
羽田空港から一日二往復しかないという便で能登へ向かう。着陸態勢に入ったころ、海に向かって水平に広がる原生林が見えた。窓際にいた奕凱とAzonaはたまらず、「樹海に降りていくみたい!」とはしゃぐ。降りる際に、乗務員から感謝状をもらった。搭乗率アップへの貢献に感謝するというもので、可愛らしくて笑みがこぼれる。入国手続きを済ませ、手荷物が流れるターンテーブルから向こうを見ると、堀内さんと森さんがもうそこにいて、向こうのロビーから手を振っている。「おひさしぶり!」久々に会った二人の笑顔は、異郷の風と晴れやかな空のようにきらきら輝いていた。
最容易讓人快速喜歡上一個地方的方法之一,莫過於有熟悉當地的朋友同行,跟著堀內先生和森小姐在珠洲遊晃,只要放開心胸就能輕易獲得有趣的新體驗。
ある土地を好きになるには、地元に詳しい友人について行くのがいちばん手っ取り早い。堀内さんと森さんと一緒に珠洲をそぞろ歩きすれば、こちらはゆったり構えているだけで新鮮な体験ができるに違いない。
從機場往珠洲車程大約半小時,堀內先生迫不及待地叫我們看車窗外民家的屋子,舉目所及全都是黑黑亮亮的能登瓦屋頂,這厚實穩重的顏色便成為我們對珠洲的第一印象,當車子一開進珠洲市,路旁隨處可見的藝術祭旗子隨風飄揚,一股慶典般的歡愉氣氛正熱烈醞釀當中。
空港から珠洲までは車で半時間ほど。堀内さんは待ちきれず窓の外の民家を見るよう促す。目をやると見渡す限り黒々とつやめく能登瓦の屋根。どっしり落ち着いた色合い、これが珠洲の第一印象だ。珠洲市内に入ると、道端のあちこちで芸術祭ののぼりが揺れている。ちょっとした祝祭のようなおめでたい雰囲気がふつふつとたぎっている。
想迅速融入當地,
就到常客多的居酒屋晚餐 吧!
常連さんがたくさんの居酒屋で晩ごはん、いっきに地元にとけ込もう。
穿過入夜才會開始熱鬧的飲食街,我們隨著酒量極佳的兩位來到舊飯田車站前的一家居酒屋晚餐,「啊,我們都是天暗了才來喝酒,沒想到外面的花開得這麼美呢!」看來因為我們的到訪,熟門熟路兩位也有了新體驗呢。
夜こそにぎやかになる飲食街へ。なかなか飲める二人と旧飯田駅(能登線)の駅前にある居酒屋で晩ごはんをいただく。「いつもは日が暮れてから飲みにくるもんで、外にこんな綺麗な花が咲いてるなんて知らなかった!」。地元通の二人も、私たちが来たおかげで、これまでにない体験ができたみたいだ。
推開暖廉,年邁的老闆娘熱情地招呼,另一位奶奶則在一旁貼著超市的集點劵,我們彷彿走進了一部昭和時代的晨間劇裡。挨著吧台坐下後先以啤酒乾杯,然後任由老闆娘端上什麼我們就吃什麼,煮螺肉、冷凍藍莓(?!)、叉燒肉、生魚片拼盤……最後連零食煎餅都拿出來讓我們嚐幾口,「這個煎餅好好吃喔!」我們喝啤酒邊聊天,還邊看著吧台後小電視機裡播放的《哆啦A夢》,當地的熟客陸續推開門進來,明明才剛抵達,珠洲的夜晚卻讓人感覺分外融洽。
のれんをくぐると、年配のおかみさんが温かく迎えてくれる。横でもう一人のおばあちゃんがスーパーのポイントを台紙に貼り付けていて、昭和の昼ドラの世界に紛れ込んだような気分になった。順ぐりにカウンターに座ると、とりあえずビールで乾杯。おかみさんが出してくれるままに、ツブ貝の煮付けだの、冷凍ブルーベリー(?)だの、チャーシューだの、お刺身の盛り合わせだのをいただく。
しまいにはおやつのせんべいまで。「このおせんべいとっても美味しい!」ビールを飲み、おしゃべりしながら、カウンター奥の小さなテレビが映し出す「ドラえもん」を見る。地元の常連さんが次々とやって来て、まだ着いたばかりというのに、ことのほか珠洲の夜にとけ込んでしまった。
飽餐一頓離去前,剛剛神祕消失的老闆娘突然拿出兩包煎餅送給我們,原來她特別跑出門買來相贈,這溫韾的人情味還真讓我們驚喜連連。
お腹いっぱいになって店を出るころ、なぜか姿を消していたおかみさんが突然、おせんべいを二袋差し出す。わざわざひとっ走りして買ってきてくれたのだ。心温まる人情に驚くやら嬉しいやら。
在珠洲,一個理想的休日該是什麼樣子呢?晚餐後,我們散步回到民宿洗了舒服的熱水澡,聞著榻榻米的香氣入眠,準備隔天跟著堀內先生、森小姐一起,在晴朗的天空下展開我們的珠洲休日。
珠洲の夢の休日とはいったいどんなだろう? 食事のあと、散歩がてら歩いて宿に戻り、気持ちのいいお風呂をいただき、畳の香りに包まれて眠りについた。明日は堀内さん、森さんと一緒に、晴れた空のもと珠洲の休日を過ごすのだ。
珠洲的早晨,就先來杯日本酒吧!
珠洲の朝、とりあえず日本酒で
不愧是堀內先生,一早先領著我們前去有兩百五十年歷史的「宗玄酒藏」拜訪。「啊,肚子餓了呢。」森小姐試喝了宗玄的酒之後精神為之一振,胃口開了倒也想起了自己沒吃早餐。「你看,想不想吃這個!」AZONA忽然想起什麼,翻出《おくノート》上介紹著吐司麵包給我們看,原來那是供應當地小學生吃的營養午餐,堀內先生早料到我們會想吃,特別在午餐前先載我們繞到麵包店一趟。「馬上就要吃午餐了,你們可別把麵包都吃完啊。」不過走出麵包店,看到迫不及待大快朵頤的我們,堀內先生連忙這麼說到。
さすがは堀内さん、朝いちばんに250年の歴史を持つ「宗玄(そうげん)酒造」に連れて行ってくれるなんて。「ああ、お腹が空いた」。森さんは宗玄を試飲して元気になり、食欲が湧いたようで、朝ごはんを食べていなかったことを思い出す。
「見てみて!これ食べたくない?」Azonaが何か思い出したように「おくノート」を開き、そこに載っているパンを指す。地元の学校給食にも出されていたパンなのだそうだ。私たちが食べたいだろうことを前もって見越してくれていて、昼食の前に寄り道してパン屋さんに連れて行ってくれた。もう大口開けて食べそうな勢いの私たちに、「もうすぐお昼だから平らげちゃだめ」と堀内さんはあわてて言った。
他們的提醒的確其來有自,因為接下來的午餐份量真是不少啊。珠洲村落祭典繁多,也是少數維持了離鄉遊子在祭典期間必定會返鄉參與的地方,因而讓「まつりごっつぉ(ごちそう)(祭典御膳)」的特色料理傳統完整保存了下來,原本只是村民設宴款待前來參與祭典的親友,如今也成為來到珠洲最不能錯過的料理盛宴。
注意してくれただけのことはあって、続くお昼ごはんはなかなかのボリューム。珠洲の集落ではいろんな祭りがあり、ふるさとを離れた人たちも必ず戻ってくる場となっている。だからこそ「まつりごっつぉ(ご馳走)」という珠洲ならではの料理がそのまま残っているのだろう。もともと祭りに集まる親戚や友人をもてなす宴席料理だったのが、今や珠洲で絶対に食すべきごちそうとなっている。
當車子停在用餐的庄屋の館前,我們不禁驚呼連連,眼前就是廣闊的日本海,能在這樣的美景下用精緻的漆器吃御膳料理,實在是絕佳的享受,不管是沾柚子胡椒吃的烤雞肉還是香氣四溢的烤魚都加倍可口,「別忘了飯後一定要來份鹽味冰淇淋喔。」森小姐提醒我們,畢竟珠洲是日本僅存使用揚濱式製鹽之地,鹽正是這裡的名物。
食事処「庄屋の館」に車を止める。目の前に広がる日本海に、たまらず次々と叫び声をあげてしまった。こんな素晴らしい景色の中、繊細なつくりの漆器で御膳料理が食べられるなんてもう最高の体験だ。焼いた鶏肉をゆず胡椒でいただいても、香ばしい焼き魚をいただいてもおいしさが倍増する。「食後は塩ソフトクリームを忘れずにね」。森さんが教えてくれる。珠洲では日本に唯一残る揚げ浜式製塩が続けられていて、塩も名物なのだ。
不只吃進在地食文化,
更享受了天海一線的美景
地元の食と、空と海が一本の線で隔てられた景色に「ごちそうさま」
夏末午後,嘴裡殘留著以鹽提味的奶油冰淇淋香,隨身帶罐冰涼的鹽味彈珠汽水和濃郁的「能登牛奶優格」,我們順著海岸線兜著風,車上放著地方電台播送的演歌,窗外是一望無際的海岸線,不禁覺得前一天還在公司加班的我們,硬是擠出一小段時間,來到了日本西半部的能登最北端,這個選擇真是做對了!
夏の終わりの昼下がり、塩でおいしさ際立つアイスクリームを楽しんだ後は、冷え冷えのしおサイダーに、コクのある「能登ミルクのむヨーグルト」を携えて、海岸沿いで風に吹かれる。車の中には地元のラジオ局がかけた演歌が流れ、窓の外は見渡す限りの海岸線。出発の前日には会社で残業しながら無理やり時間を作り、いま能登半島の最北端にいる。ここに来たのはやっぱり正しかった!
電影《寧靜咖啡館之歌》的拍攝地二三味咖啡,也是珠洲休日必訪景點之一。在面海的落地窗吹著風,喝杯手沖冰咖啡,除了天海間的水平線,一整排呼應著海平面概念的各式創作品融入視線,一路延伸到在奥能登國際藝術祭期間限定開放的「海上のさいはて茶屋」。再繼續沿著海角看,經過同為藝術祭作品的「神話の続き」,我們走下了海灘探藝術家深澤孝史的班,為了呼應古代信仰起源,他以海流飄來的塑膠垃圾建造成的白色鳥居,矗立在海岸的模樣相當壯觀。原來,像這樣將能夠呼應當地歷史文化的藝術作品,自然融入在原本的休日路徑中,讓所有的參與者一起創造新的回憶,就是藝術祭最吸引人的地方。
2015年公開の映画『さいはてにて—やさしい香りと待ちながら』のロケ地となった「Cafe Cove」も、珠洲の休日に欠かせない場所だ。海に面した掃き出し窓に風が吹き、ハンドドリップのアイスコーヒーを飲む。水平線に加え、海面をコンセプトに創られたさまざまな作品が横に並び、視野にとけ込む。
さらに視線を伸ばせば、奥能登国際芸術祭の期間限定でオープンする「海上のさいはて茶屋」が見える。そして、岬がつづく海沿いを進むと、芸術祭のために創られた「神話の続き」がある。アーティスト、深澤孝史さんが手掛けたこの作品は、古代信仰の起源を表現しており、海に流れ着いたプラスチックごみを素材にした白い鳥居が海岸にそびえ立つさまはなかなか壮観だ。なるほど、地元の歴史文化を表すアート作品を、さりげなく休日のコースに取り入れ、これに参加するすべての人々とともに全く新しい思い出を創る、これこそが芸術祭の最も大きな魅力だろう。
藝術重現回憶、創造相遇,
也畫出了新的生活風景
アートは思い出を再現し、出会いを創る。
そして新しい暮らしの風景を描く
「Azona晚餐可以做台灣料理嗎?啊,對了,居酒屋的老闆娘說要給我們紫蘇喔。」由於當晚我們要一起寄宿在當地朋友家裡,正在討論晚餐食材清單時,森小姐提醒了堀內先生。「那在天還沒暗之前可以看看旁邊的車站嗎?」我們想起前一晚聊天時聽到的,居酒屋旁那廢線12年的飯田車站裡的藝術作品,是在被遺忘的廢棄車站裡收納著被遺忘的物品,這個發想令我們十分好奇。這座由河口龍夫設計的「小さい忘れ物美術館」,小小的鮮黃色房間裡,收羅了歷來旅客最常遺失的物件,通往月台的路上散落四處的立傘,營造出十足魔幻的魅力,時光也彷彿凍結在此刻。
「きょうの晩ごはんだけど、Azonaは台湾料理を作ってくれるかな? そうだ、居酒屋のおかみさんがシソをくれるんだって」。その夜、地元の友人の家に泊まることになっていて、晩ごはんの食材リストについて話していたちょうどそのとき、森さんが堀内さんにこう言った。
「じゃあ日が落ちる前に、近くの駅を見に行ってもいい?」
前の晩におしゃべりしていたとき、居酒屋のそばの廃線になって12年の旧飯田駅のアート作品が、忘れられた廃駅に忘れ物をあしらって作ったものだと聞き、その発想に好奇心をそそられた。
河口龍夫さんが手掛けたこの「小さい忘れもの美術館」は、鮮やかな黄色の小さな空間に、よくある乗客の忘れたものをあしらったものである。プラットホームへ向かう途中のあちこちに傘がばらばらに立てられ、幻想的な魅力たっぷりで、まるで時間がそこで止まったかのようだった。
在珠洲的休日時光短暫,但細數下來卻是收穫滿滿,即便是片刻停留,途中經過宛若開在海角天涯、祿剛埼燈塔旁的唱片行「LIBRARY RECORDS」,還有洗去一身疲憊的大眾澡堂「寶湯」都是讓我們想要再次造訪的美妙片隅。也忍不住想像藝術祭開始後,那些作品將與日常交織出什麼模樣。
珠洲の休日はあっという間だったけれど、指折り数えると収穫はたっぷり。ほんの少し立ち寄っただけでも、地の果て海の果てのような禄剛埼灯台のそばにたたずむレコード店「LIBRARY RECORDS」に、疲れた体を癒す温泉銭湯「宝湯」などはいずれももう一度訪れたい素晴らしい街の片隅だ。それに芸術祭が始まれば、あの作品たちは日常の暮らしと相まって、どんな姿を織りなすのだろうと考えずにはいられなかった。
夜裡大夥兒一起下廚,居酒屋老闆娘給的新鮮紫蘇做的涼拌菜,配上以下午現買的海鹽調味的番茄炒蛋,安靜田間的滿斗星空下,生活的樣貌在當地友人的帶領下反而輪廓鮮明。我們邊吃晚餐邊教了堀內先生好幾句台語,堀內先生不但迅速上手,還立馬帶入情境使用了起來,逗趣的場面讓我們捧腹大笑……我們就這樣,用笑聲拉長了旅行的愜意,也悄悄用笑聲封存珠洲回憶,讓它在心裡繼續延續下去。
夜はみんなで台所に立った。居酒屋のおかみさんがくれた新鮮なシソで和え物を作り、午後買ったばかりの海の塩で味付けした卵とトマトの炒めものを合わせた。静かな片田舎の満天の星のもと、友人の案内のおかげで、地元の暮らしの様子が手に取るように鮮やかに感じられる。
食事をしながら堀内さんに台湾語をいくつか教えてみたけれど、のみ込みが早いだけでなく、すぐその場にぴったりの言葉を使っておどける姿にはお腹を抱えて笑ってしまった。私たちはこんなふうに、旅で満たされた心の余韻を笑いであたため、珠洲の思い出を笑いでそっとしまい込む。そして、この思いは心のなかでいつまでも生き続けるのだ。