特集 『サムガールズ
〜あの子が
故郷に帰る時〜』

シソンヌ・じろう妄想短編小説『サムガールズ〜あの子が故郷に帰るとき〜』出版記念トークイベント@山形ビエンナーレ

お笑い芸人のシソンヌ・じろうさんが、会ったことのない女性の1枚のポートレートとわずかなプロフィールをもとに、“妄想”してそれぞれの半生を描く『雛形』の人気連載コラム、「あの子が故郷に帰るとき」。2017年から約1年間にわたって描かれた実在する女性たちの妄想物語は、一見突拍子もないキャラクターやエピソードに見えて、読み進めると、いつの間にか実在する人物や本当の出来事かのように思えてしまうという、何とも不思議な読後感に包まれます。

そんな連載が8月に書籍『サムガールズ〜あの子が故郷に帰るとき〜』として発売されました! この出版を記念して、9月に山形市で行われた芸術祭「山形ビエンナーレ2018」で、著者のじろうさんと、“あの子”たちを撮影した写真家の志鎌康平さんによるトークイベント&写真展を開催。会場のとんがりビル1F「KUGURU」には、夜行バスに乗って朝早くから駆けつけた熱狂的なファンの方もちらほら。トークイベントのチケットは予約・当日券ともsold out! 終始笑いに包まれ、大盛況のもと行われた当日の様子をお伝えします。

 

写真:根岸 功 文:木下美和

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手探りで始まった
写真と文章の往復書簡

トーク開始前から総勢90人近くのお客さんがスマホやカメラを片手にそわそわ。司会と写真家の志鎌さんに続き、じろうさんが登場すると、一段と大きな拍手とシャッターの嵐! ふだん立つお笑いのステージとは異なるシチュエーションに、「なんか公開処刑されてる気分(笑)。ステージ用の丸メガネに変えてくるのも忘れちゃいました……」と、やや戸惑いを隠せないじろうさん。しばらく続いたシャッター音がおさまると、いよいよトークがスタート。実は、著者のじろうさんと写真家の志鎌さんはこの日が初対面ということで、それぞれどんな風に写真を撮り、その写真からどのように物語を紡ぎ出していったのかを知らないまま。まずは、お互いの制作過程のお話から始まりました。

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——おふたりにとって、「あの子が故郷に帰るとき」は突然のお題だったと思いますが、最初にこの企画の内容を聞いたとき、どんな印象でしたか?

シソンヌ・じろう(以下、じろう):企画を聞いたときは、おもしろそうだなーというくらいの感じでした。基本的にいつも深く考えずに仕事を受けちゃうタイプなので。引き受けてから、あ、これだいぶヘビーだなというのが多いんですが、そのパターンでしたよね(笑)。写真を見て、すっと話のイメージを思いつく人もいれば、なかなか出てこない人もいました。でも、それも含めておもしろかったですね。

志鎌康平(以下、志鎌):僕の場合、普段は先に編集側や書き手の文章があって、それに沿って自分が撮った写真が載るっていう流れで撮影することが多いのですが、今回は僕の写真がまずあって、そこから何かが始まるっていうのが、結構責任重大だなと。だから、じろうさんが妄想するための要素を入れるように意識して撮りました。

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——今回、志鎌さんには撮影に加えて、“あの子”たちのキャスティングもお願いしました。

志鎌:そうですね。まず、被写体の女性たちがどういう人なのかが妄想するのに大事になると思ったので、会ったことがない子の場合は、写真を見せてもらって、「この子だったらこういう風になるかな、こう広がるかな」とイメージが膨らむ人を選んでいきました。それで実際に会って、撮影場所をどうしようか、どれくらいじろうさんのイメージが広がるかなと考えながら撮っていきましたね。

じろう:確かに、写真に映っている要素をもとに想像して書いていましたね。実際、登場した女の子たちって、どうやって見つけたんですか?

志鎌:僕は山形を拠点に写真の仕事をしているのですが、全国各地に撮影に行く機会が多いんです。それで、雛形編集部の菅原さんに、「行った先々で誰か女の子を撮ってきてください」って言われて。「え!大丈夫なのか!?」と不安を抱きながらもやってみました(笑)。例えば、第3話の『私のばあば。私はばあば』の子は、鹿児島で撮影終わりに居酒屋に1人で行って、酒を飲みながら店の大将に「誰か女の子いないですか?」って聞いたら、その日バイトで入っていた女の子を紹介されて、「明日時間ありますか?」「あります」「じゃあお願いします」って感じで。

じろう:軽っ! え! そんな簡単に!?(笑)

志鎌:はい。本当にナンパみたいな感じ(笑)。それで、次の日にその子とふたりで観光地みたいなところをいろいろまわって撮影して……ってやっぱりあやしいですよね(笑)。

じろう:いやいや、それ、あやしすぎますよ! カメラマンが1人で飲んでて、女の子紹介してくれ、写真撮らせてくれって。でも地方の人ってそういうところのガードが低いですよね〜。人間をすぐ信用する。東京は罠がいっぱいありますけどね(笑)。へえー、でもそんな感じで出会って撮っていたんですね〜。

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志鎌:そうなんです。でもその3話の子は、観光地で撮っていたのですが、何か違うなーと思って、撮りながら悩んでいました。その途中でたまたまその子の家が近くにあると聞いたので、「家で撮れますか?」って聞いたら、おばあちゃんが亡くなってその家に1人で住んでるって言うので、ぜひ撮らせてほしいとお願いして、そのおばあちゃんの仏間で撮ったんです。そうしたら、じろうさんが……。

じろう:はい。死んだおばあちゃんが乗りうつる話を書きましたね。この人とのリンクの仕方、異常でしたもんね(笑)。書き終わったあとに“あの子”からの感想が送られてくるじゃないですか。あれを読んで、ここまで本人とリンクすることがあるのか!と驚きました。書き手としてこんな楽しみ方があるのかぁって。おもしろかったですね。

志鎌:僕も何かしら妄想が膨らむ要素を入れたいと思ってそこ(仏間)で撮ったので、3話を読んだとき、じろうさんがそれを感じてくれたのかなと思ってすごくうれしかったですね。

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——私たち編集、写真チームは回を重ねるごとに「あの写真がこうなるのか〜」って楽しくなっていきましたよね。

志鎌:そうそう。次はどんな写真をじろうさんにぶつけようかな〜って。だって1話目から感動しましたもん。めちゃくちゃな話でしたよね?え?一輪車!? すげーなって(笑)

じろう:はははは。そうですね、前半の何話かはお笑いの要素が強いと思います。わかりやすい笑いを入れてましたね。あとの方からちょっとそれが薄くなってきて。笑える人が笑えればいいやくらいの感じに。一輪車とかはあからさまにボケてる感じでしたね。

じろうさんが描く、
おかしくもかわいらしい女性像と
にじみ出る郷土愛

じろうさんといえば、コントで演じる暴走気味の女性役が代名詞ですが、前著『甘いお酒でうがい』(KADOKAWA)、今作の『サムガールズ〜あの子が故郷に帰るとき』も然り、自分の世界に没頭する個性的な女性が主人公として描かれています。続いては、じろうさんが描く女性像について、そして、今作の大事なテーマでもある“故郷”についての話題に。

——女性の物語やネタを書くときのヒントとして、普段、女性のどんなところをポイントにみているのですか?

じろう:うーん……自分でもあまりわからないんですよね。こういう人をどっかで見たのかなっていうくらい(笑)。でも女性に限らず、気がついたら人を眺めてることは多いですね。あまり意識しないで見ているものが、自分の中に自然に入ってきているとは思うんですけど……。おしゃれしてるかわいいおばあちゃんとか、買い物中のおばさまとか、つい見ちゃいますね。そういえば、昨日もちょうど飯食ってたら、隣のテーブルに4人組のおばさまがいて、気になって何となく聞き耳を立ててたら、「ひゃっこいおなす!」って言ったんですよ。あーこれは間違いなく東北の人だなって。それでよく聞いてたら、山形がどうこう言ってて、おそらく山形のおばさま4人組が東京で再会しているのか、それとも、旅行で来てるのかなと思うんですけど。

志鎌:ビエンナーレに来る前日に山形の人と遭遇! そんなことあるんですね〜。

じろう:そうなんですよ。おもしろそうな女性に出くわすのもそうですが、僕、東北人との遭遇率もすごい高いんですよ! イントネーションですぐわかるから、東北の人って。乗るタクシーの6割くらいは東北出身の運転手さんだし。「ご乗車ありがとうございます」の喋りかたで、あ、東北訛り入ってる!って。そうなるとこっちのもんですよ、乗ってる間ずっとおじさんと東北話でおしゃべりできるんで。

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——志鎌さんは山形在住ですが、東京で撮影することも多いですよね。都市と地方を行き来する中で、何か違いを感じることはありますか?

志鎌:僕はそもそも自分がなまっているのでなんとも……(笑)。

じろう:へえ〜! そうなんですか。今、こうやって話してると全然そんな感じがしないですね。普段は山形の言葉でしゃべってるんですか?

志鎌:山形にいるときはそうですね。方言で喋ります。「○×○×ずぅ」って。東京に行くとよそいきの感じになるのであまり訛っていないはず(笑)。じろうさんは訛らないですか?

じろう:僕も普段は出ないですねー。でも、青森、特に同じ弘前出身の人に東京で出会ったときは、必ず津軽弁で話しかけます。それに津軽弁で返してくれるかどうかが僕の中の1つの物差しなんですよね、郷土愛が強いかどうかの。隠してる人もいるんで。

——じろうさんは弘前愛が強いですよね。

じろう:僕が異常に強いんだと思います。だから、郷土愛がない人が不思議でしょうがない。だって自分の基礎ができ上がった場所じゃないですか。そんな場所をなぜ愛していないんだろうって。まあいろんな事情がある人もいるでしょうけど、僕は幸い家族と友人には恵まれた方だと思うんで。東京出身の人は、よく田舎や方言があってうらやましいって言いますよね。確かに、言ってみれば僕ら2か国語(標準語、津軽弁)が喋れるってことですもんね。

 

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志鎌:『サムガールズ』を読んでいても、女の子たちの故郷に対する思いが伝わってきますよね。今の話を聞いて、じろうさんの中に郷土愛がすごくあるからっていうのも影響してるからなんだなと思いました。

じろう:そうかもしれないですね。この本に出てくる子たちも東北の人が多いですしね。確か最初の子は山形の人でしたよね。

志鎌:そうですね。というのも、この企画がスタートすることになって、まだどんな展開になるかよくわからないまま、とりあえず山形の知人やその紹介で女の子のポートレートを撮ることになって。1、2、5、9話の女性たちは山形在住や何かしら関係のある子ですね。

じろう:あ〜そうだったんですね。なるほど。この2話の『母を訪ねて三千里』の子も山形だ。(会場のお客さんに向かって)「はい、みんなー2話開いて〜」……ははは、大学で講義してるみたいで気持ちいいっすね。(会場笑)

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——この作品は、描かれる女性たちの“居住歴”も重要なポイントでした。故郷に帰っていく経緯、「逆上京物語」というか。そこもかなり細かく辿ってくれましたよね。

じろう:そうですね。そこはなるべく辿って、何かしらその土地でのエピソードを考えられたらなと思っていました。でも居住歴が多すぎる人もいて。特に6話! 横浜→山形→シカゴ→横浜→スペイン→ポルトガル→オーストラリア→インド→オーストラリア→横浜……って、移り住みすぎですよ!(笑)。

志鎌:(笑)、じろうさんはどの話が印象に残っていますか?

じろう:うーん……第5話の『冬子と元・冬子』は気に入ってます。最近仕事で北関東に行くことが多くて、その時、だいたい埼玉の熊谷を通るんですよ。ちょうどこのお話に出てくる場所です。通るたびに「あーここに冬子がいたんだなー」って勝手に思ってました(笑)。

——実は、その冬子がこの会場に……。

じろう:え! 来てくれてるんですか!? え、どこだろう……あー、いた!あれ!? 毛皮被ってないから全然わからないですねー!(会場笑)

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リアルな“あの子”と対面!
妄想で描かれた気分、とは……

というわけで、トークイベントを観に来てくれた本物の“あの子”と予期せぬ対面を果たしたじろうさん! 実際に描かれた彼女たちは、物語の中の“私”をどう思ったのか、巻末の「あの子からの感想」には収めきれなかった声を聞くことができました。

じろう:冬子さん、来ていただいてありがとうございます! 初めて会えました、“あの子”と。あんなに好き放題書いちゃって、すいません(笑)。えっと……毛皮関係の仕事してるんでしたっけ? それは僕が勝手に書いてるんでしたっけ? 勝手に妄想して書いちゃってるから、僕の中でそういう人物像としてできあがちゃってて(笑)。銃をうったことはありますか?……ないですですよね、すいません、ははははは。

——でも、お話に出てくる犬の犬種が、ご自身が本当に好きな犬種だったんですよね?

冬子さん(こと是恒さん):はい。アラスカンマラミュートが大好きです。

じろう:そうなんですね!そんな奇跡のリンクが! 僕はたまたまシベリアンハスキーを調べてたら、アラスカン何とかっていうのが出てきて、お、これはボケに使えそうだなと思って。でも写真で見るよりもふわっとやわらかい印象の方ですね。あの写真では、ちょっとこう冷酷な、動物を見たらバンってうちたくなるような感じだったから。(会場笑)

——実は、もう1人、“あの子”が来てくれています。夜行バスの……。

じろう:あー、バスの運転手さん追っかけまわした9話の子! (客席のご本人を見つけて)あれ、でもやっぱり違うなー。写真では何かこう異常な執着を持ってそうな感じがしたんですけどね(笑)。やわらかい感じですね。あ、そうそう栗原さんですね。ありがとうございます。でも、どんな気分ですか? 自分の写真を見て、こんなメガネかけたおじさんに好き勝手人生書かれて、それが本に載って表に出るって。イヤだなと思わなかったんですか?

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栗原さん:最初、急に志鎌さんから連絡がきて、「明日空いてる?」って。ちょうど仙台からバスで山形に帰ってくる予定で、時間もあったのでいいですよって。でも写真を撮られるのはものすごく緊張しました……。でも企画がおもしろそうだったのと、じろうさんに書いてもらえるなんてと思ったら、思い切って乗っかっちゃおうと思って、お引き受けしました。

じろう:へぇ〜なるほど。でもこれ、本として残るわけだし、もしこの先ご結婚されるとき、相手のご両親に「こんなストーカーみたいな子と付き合って!」って勘違いされる可能性がありますからね(笑)、何とかそこはうまくごまかしてくださいね。

——描かれた“あの子”たち本人から感想を聞くと、「もしかしたら(物語に描かれている方が)本当にあったことなのかも」と心が揺れたり、まわりの友だちから、物語に描かれていることが本当のことだと勘違いされたりした、という話を結構聞きました。本物の“あの子”たちと会って、どうですか?

じろう:いやーでもやっぱり写真から受けた印象と全然違うものですね〜。本の後ろの方にも“あの子”になってくれたみなさんのオフショットの写真が載ってるじゃないですか。例えば、1話の人も、これ全然印象が違う。表紙の人ですよね? たぶん、僕、このオフショットの写真を見てたら、今の話とは別の、猫の話とか書くと思う。(会場笑) 『猫に捧げた人生』とか、『顔が猫になってきた』みたいな。

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書き下ろし第10話の主人公、
女優・西田尚美さんのこと

『雛形』の連載では、9人の女性たちの妄想半生が描かれましたが、書籍には書き下ろし作品として、女優の西田尚美さんを主人公にした第10話『ヨウコさんへ』が収録されています。じろうさんにとっては、この作品の中で唯一物語を書く前から会ったことがある方。一方、志鎌さんにとっても、“あの子”たちの中で唯一長年被写体として撮られ続けているプロの女優さんということで、9話までとは作品の立ち上げかたが違ったと話します。

じろう:尚美さんの話は、写真を見てすぐに思いつきましたね。僕の実家にあるピアノの上に、この10話に出てくるポルセレーヌ人形(陶磁器性の創作人形)があって、それがすごく尚美さんに似てるんですよ! 白い服を着たショートカットのひょろ〜っとした感じで。僕が子どもの頃、一時期家の中でピンポン球を投げて野球をするのにハマってたんですけど、それをやってるとき、いとこが打った球がポルセレーヌ人形の顔に当たって、顔が取れたっていう衝撃を今でもずっと覚えていて(笑)。送られてきた尚美さんの写真を見たとき、ちょうど衣装も白い服で、あの人形とそっくりだ! と思って、ポルセレーヌ人形を絡めたお話にしました。つい先日、テレビの収録で尚美さんにお会いしたら、「すごくおもしろかった」って言ってくださって、うれしかったです。

——志鎌さんは撮影してみて、どうでしたか?

志鎌:女優さんなので、どの辺りまで妄想的要素を入れていいのか悩みました。実は採用した写真以外にいろんなパターンも撮ったんです。商店街の八百屋に行って撮ったり、昼間の街から逃げ出すようなシチュエーションにしてみたり。でも、やっぱり女優さんなので、どう撮っても強いというか、映画やドラマのワンシーンみたいになって、妄想するにしては決まりすぎちゃうというか。

じろう:確かに、そのアザーカットをもらっていたら、何かから逃げてるお話を書いていたかもしれないですね。

志鎌:そう。だからあえてシンプルに撮った写真にしました。

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——この物語を読むたびに、毎回絵が浮かんでくるストーリーだなと思っていましたが、まさにこの10話は映像化できたらすごくいいですよね。後日談で尚美さんも演じてみたいっておっしゃっていましたよね。

じろう:そうですね。そうなったらおもしろいですね〜。実際に尚美さんに出てもらってね……ふふふふ。

——もしも、この連載の第二弾があるとしたら、どうですか?

じろう:え!げげげですよ(笑)。いや、でも書いてみたいですけどね。

志鎌:今回の“あの子”たちは20〜40代の女性でしたが、企画当初は、小さい子やおばあちゃんとか、いろんな年代の人を入れようかという話も出ていたんです。こんな人を書いてみたいとか、ありますか?

じろう:あーそうなんですね。確かに、僕、結構おばあちゃんが好きですね。この人若い頃どれだけきれいだったんだろうな〜っていう方、いるじゃないですか。品があふれ出てる方。そういうおばあちゃんを見て妄想するのは好きですね。

——会場のお客さんから、この作品の中で「コントにするならどの話?」という質問がありますが、どうですか?

じろう:この本に出てくる女の人たち、みんな僕のコントっぽい人が多いと思うので、どれもできそうですね。1人でギーってなってる人とか、自分の中で妄想が暴走して一人で突っ走って行く人とか。でもそういう人って日本中、世界中探したら割といると思うんですよ。自分が普通だと思っていても、他の人に言わせたらそれおかしいよっていう部分は、みんなどこかに持ってると思う。普通だけど狂ってる、みたいな。

——じゃあ、志鎌さんに写真を撮りだめてもらって、それでまたぜひ狂ったお話を……。

じろう:そうですね。またそのような声があったらやってみたいと思います。あ、それと12月16日に山形市民会館小ホールでコントライブがあるので、そちらもぜひ来てください(笑)。

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サムガールズ – あの子が故郷に帰るとき
著・じろう(シソンヌ)
貴女は貴女。私も、貴女です。——じろう

実在する10人の女性の半生を妄想で描いた、芸人シソンヌ・じろう初の短編小説!人気お笑いコンビ・シソンヌのじろうが、ローカルライフWEBマガジン「雛形」で連載した妄想短編小説「あの子が故郷に帰るとき」を待望の書籍化!
本書は写真家の志鎌康平氏が各地で撮り下ろした女性ポートレートをもとに、著者が妄想だけで、出会ったこともない全国各地の女性たちのバックストーリーを描き出すという、自身初の短編小説集です。書き下ろしも含む全10作品を収録!お会いしたことのない女性の写真を眺めながら勝手にその人の人生を綴りました。
発行:ヨシモトブックス   発売:ワニブックス 好評発売中!




PROFILE

じろう/青森県弘前市出身。2006年4月に結成したシソンヌのボケ担当。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。東京NSC11期生。2014年第7回キングオブコント王者。演技力の高いコントを得意とする。著書に“川嶋佳子”名義で自身初の日記小説として書籍化した『甘いお酒でうがい』(KADOKAWA)がある。「シソンヌライブ」の第七弾DVD「sept」が発売されたばかり。

 

志鎌康平/1982年山形市生まれ。写真家小林紀晴氏のアシスタントを経て山形に戻り、アカオニデザイン入社。2016年独立し、志鎌康平写真事務所【六】設立。山形のほか東京/長崎にも事務所を置き、国内外の人や土地を感じ、そのものの持つ力を掴み取り撮影を行っている。広告をはじめ、雑誌では『Casa BRUTUS』『BRUTUS』、Webでは『雛形』『北欧、暮らしの道具店』などで撮影を担当。山形ビエンナーレ公式フォトグラファー。移動写真館『カメラ小屋』も日本全国開催中http://www.shikamakohei.com/




 

(更新日:2018.11.02)
特集 ー 『サムガールズ
〜あの子が
故郷に帰る時〜』

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〜あの子が
故郷に帰る時〜』
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シソンヌ・じろう妄想短編小説『サムガールズ〜あの子が故郷に帰るとき〜』出版記念トークイベント@山形ビエンナーレ

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