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  • 暮らす人と同じ目線でまちの空気をつかむ 「うつのみやらしく」ツアー終了しました!

栃木県

宇都宮ダブルプレイス案内

もっと楽しく、自分らしく暮らしたい。宇都宮を拠点に活動しながらも、新たな“自分の場所”を生みだしている人々。宇都宮だからこそできることは何だろう? 

暮らす人と同じ目線でまちの空気をつかむ
「うつのみやらしく」ツアー終了しました!

栃木県
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東京から新幹線で約50分、栃木県の県庁所在地、宇都宮市。名前はもちろん知っているけれど、宇都宮という街の印象ってなんだろう?「餃子は有名だけど、ほかに美味しいものは?」「観光地として馴染みがないけれど、本当は?」「宇都宮で暮らす楽しさは?」その知名度とは反対に、どんなところか答えられる人はどれだけいるでしょうか。

昨年は、東京でイベント「うつのみやらしく」を開催。『雛形』での特集「宇都宮ダブルプレイス案内」で紹介した、宇都宮市を拠点にそれぞれのライフスタイルを送る方たちをトークゲストとしてお招きしました。普段の活動を語ってもらう中で見えてきたのは、宇都宮市は人とのつながりを生み出しやすい場所であること。また、充実した食文化や農産物があることや、まちづくりに一役買っているお店の存在など、新たな宇都宮の顔を知る「出会い」の1日となりました。

イベントをきっかけに生まれた「出会い」に、実際に触れて、体感してもらうために、今回は現地ツアーを企画。イベントに登場いただいた中尾真仁さんのビアパブ「BLUE  MAGIC」を訪れたり、平田唯さんや宇都宮市役所の方をガイドにまち歩きを楽しんだり……、お気に入りの場所や知ってほしい穴場、宇都宮の素敵な人たちをめぐるオリジナルのツアーを組みました。

見て、作って、味わって……
「うつのみやらしさ」に触れてみる

2月11日、集合は朝8時半・東京駅。集まった参加者同士、集合直後から会話を楽しむ和やかな雰囲気でスタート。前回イベントの後、宇都宮に訪れた方もいて、情報交換や今日の目的を語り合っている様子。これからいざ宇都宮へ!

今回のツアーは、午前中に郊外にある大谷資料館とROCKSIDE MARKETを訪れ、宇都宮ならではの文化に触れ、ものづくりを体験。午後からは中心エリアでのまち歩きを通して、住民に近い目線で宇都宮をめぐります。最後は「BLUE MAGIC」でクラフトビールと宇都宮グルメを堪能。宇都宮の表情の豊かさを知ることができる盛りだくさんのプログラムです。

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最初の目的地、宇都宮駅からバスで20分ほどの距離にある大谷資料館へ。ここは栃木県内のいたるところで目にする石造りの建物の材料・大谷石の採石場を整備した施設です。大谷石は宇都宮市の特徴的な景観を形づくっているだけでなく、世界的にも有名な建築家、フランク・ロイド・ライトが設計した帝国ホテルにも使われていて、市を代表する資源のひとつだそう。

大谷石の多くは地下を掘り進めながら採石しているのが特徴です。そのため、地上にある資料館の受付と展示室、地下採石場の入り口を兼ねた建物からは、どんな空間が広がっているのか全く想像できません。

いざ地下へ足を踏み入れると、ひんやりとした空気の肌触りを感じると同時に、目の前に広がる光景に思わず参加者の声が漏れました。人がつくりだしたとは思えない、天井も奥行きもスケールアウトした無柱の空間。普段は撮影の使用のみで、一般公開されていない天井の割れ目から光が降り注ぐ「教会エリア」も、この日は偶然開放されていて、運良く見学できることに。

地下採石場の唯一無二の空間を活かして、最近は映画のロケ地やイベントとして使われ、名前が知られるようになったそうですが、まさか宇都宮にあったなんて、と驚く人も。たしかに県庁所在地である街から30分もかからないところに、こんな非日常的な空間があるとは想像しにくいかもしれません。宇都宮の新たな一面に出会って、この日のツアーで一番印象深かったと答える人が多い場所でした。

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大谷資料館の感動が冷めやらぬ中、続いては隣接する「ROCKSIDE MARKET」に移り、宇都宮で活動する作家さんと一緒にものづくりを体験。この場所はもともと喫茶店だったのですが、ROCKSIDE MARKETのプロデューサー・松本裕功さんが、人々がつながる拠点になる可能性を感じ、生まれ変わらせました。栃木県に関係する作家の作品や、器や織物など県内の工芸をリデザインした雑貨を集めたショップ・カフェとして、1年半前にオープン。

普段からものづくりに関わる人たちとつながる松本さんがワークショップの講師に招いた方は、花を使った雑貨や空間をつくるkakaさん。参加者は大谷石のほか、ドライフラワーや木の実など思い思いの材料を香りつきのキャンドルに埋め込んだ、アロマワックスバーづくりを体験。kakaさんの指導のもと、細かい作業に真剣に取り組み、ときには隣の人と仕上がりを見せあいながら、個性のあふれる作品ができあがりました。

ワークショップとROCKSIDE MARKETの見学の後、有機野菜を使ったサラダランチが人気のカフェ「tomotina」に。大谷石できた古民家を最低限のリノベーションで、古さを活かした可愛らしい佇まいのお店。この日のランチの野菜は県内産の有機野菜のほか、オーナーの友人や祖母が作ったものも使われていて、農作物づくりが盛んな土地ならではの美味しさを感じるひとときに。

見て、体感して、作って、食べて……盛りだくさんのツアー前半があっというまに過ぎていきました。

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暮らす距離感でまちに触れてみる
気になる場所が居場所に変わった1日

午後からは、バスで街へ移動し、オリオン通り、もみじ通り周辺を散策するまち歩きがスタート。ガイドは宇都宮市内にあるシェアハウス「カマガワリビング」に通い暮らしをする平田唯さんと、宇都宮市役所の吉田さんが担当してくれました。お二人の案内のもと、地元でお馴染みの栃木県産物を揃えた農産物直売所、元倉庫だった器のギャラリー・カフェ、現存する大谷石建築最大の教会などに立ち寄ることに。

特に、参加者のお気に入りのエリアになったのがもみじ通りの素敵な雰囲気のお店たち。年月の経った建物の味わいを残しながら活用された、小さなお店が点々と続く通りで、まち歩きにはうってつけの場所です。例えば「dough-doughnuts(ドードーナツ)」は素材にこだわり、有機食材やヘルシーなものを使用した、地元で人気のお店。この日、ショーケースに並べられたドーナツはバレンタイン仕様のハート型で、参加者も思わず魅入ってしまう可愛さ!ガイドのふたりにオススメの種類を聞いて購入、まち歩きは食べ歩きに…

いい空気が流れる町には、それをつくりだした立役者がいるもの。ここ、もみじ通りは数年前までシャッター街だったのですが、「ビルススタジオ」という、設計と不動産を行うまちづくりのキーマン・塩田大成さんの存在で生まれ変わったと言います。とはいえ、まだ活用されていない店舗もありますが、きっと今後活用されていき、もみじ通りがもっと素敵な場所になると感じられました。

目的地でないお店をのぞいたり、商品を手に取って買ってみたり、興味が途切れない宇都宮のまち歩き。今回訪れたのは、表通りの目立つ場所ではないけれど、だからこそ知れたことが嬉しくなる場所ばかり。参加者にとって、誰かに紹介したくなるような、とっておきのお店になったのではないでしょうか。

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気づけばすっかり日が暮れ、この日のツアー最後の目的地である「BLUE MAGIC」へ。訪れると店長の中尾真仁さんが出迎えてくれました。ビールづくりについてのお話のあと、バーの奥にある醸造工場を見学、注ぎ方による味の違いを知る試飲会を堪能。ビールを起点にした宇都宮を知ってもらう取り組みを聞きながら、中尾さんの人柄と、地元を大切に思う気持ちに触れることができました。

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またBLUE MAGICはお店にフードの持ち込みが自由なところがポイント。夕食はオリオン通り近辺にあるお店の逸品グルメの出前で決まりです!中尾さんのインタビューでも登場した「みよしや」のかぶと揚げや「味一番」の餃子、「PIYO PIZZA」のピザがテーブルに並びました。

そして参加者、ガイドを務めた宇都宮の人たちが入り混じって乾杯の時間。食事とお酒をともにすると、不思議と距離がぐっと縮まります。初めから仲間同士だったかのような盛り上がりの中、色んな人と喋ろうと席を替えたり、大谷石へのラブレターを朗読する方もいたり(!)、参加者と宇都宮市にさまざまな関係が生まれる瞬間を目の当たりにしました。(実はこの日、ガイドの平田唯さん入籍の日で、お祝いの餃子ケーキ?も登場)

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じっくり巡りたいのでまた近いうちに来たい、今度はもみじ通りの違うお店に行ってみたい、飲み歩きしにまた来ます……嬉しい声もちらほら聞こえてくる中、後ろ髪を引かれる思いでツアーの行程が終了。今日1日限りのツアーだったことを忘れてしまうくらい、参加者はすっかり打ち解けていました。

ガイドの話を聞きながらまちを歩き、お店の人とのコミュニケーションが生まれたり、BLUE MAGICでのビールづくりで多くの質問が飛び交ったり。夕食時には参加者や市役所の方、ガイドを務めてくれた宇都宮で暮らす方、集ったみんなが前から知り合いだったかのように、ざっくばらんに話し合う。そして参加者の中には、早くも宇都宮での拠点をつくろうと画策している人も。参加者のみなさんにとって、宇都宮がすでに馴染みの居場所になっているように感じました。

近くてもなかなか訪れる機会がなかったかもしれない。しかし宇都宮の日常に流れる空気に触れることで、見聞きしたイメージではない、居心地のいいリアルな宇都宮とつながることができました。参加者と宇都宮の距離がぐっと縮まって、これからまた新たな「うつのみやらしさ」が生まれるエネルギーを感じたツアーでした。

 

写真:工藤 朋子 文:水井 歩 編集協力:宇都宮市
(更新日:2017.03.09)
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