COLUMN
ファンシー絵みやげ保護活動記

80年から90年代、スキー場や観光地で大流行した、ファンシーなイラストが描かれたキーホルダーや置物。リアルタイムを知る人なら「コレ持ってた!」と叫ばずにはいられない懐かしいおみやげたちを、“ファンシー絵みやげ”と命名し、日本各地で収集・研究しているのが山下メロ院長です。絶滅の危機に瀕するおみやげ雑貨とストイックな裏話を一緒にお届けします。

vol.11 カプッと噛みってる宮島さん【広島県・宮島編】

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広島東洋カープが、神ってる選手の活躍もあり、25年ぶりの優勝なるかで盛り上がっています。その広島は私の生まれ故郷でもあります。日本三景に数えられる安芸の宮島が観光地として有名で、土産店もたくさん軒を連ねており、当時はタレントショップまでありました。宮島といえば鹿なのですが、デフォルメが難しいようで、奈良と同じく数えるほどしかファンシーイラストを見たことがありません。また、神主様や巫女さんのキャラクターも問題視されるのか、全国的にあまり見ません。そんな広島でどんなファンシー絵みやげがあったのか紹介していきます。

 

 

うちわ

カップルが広島旅行をしているイラストのうちわ型ホログラムキーホルダー。歴史上の人物や動物をメインにしない場合、かわりに誰でもないカップルのデフォルメイラストを配する例は全国的にあります。ホログラムのシールが貼ってある仕様は、当時大流行したお菓子「ビックリマンチョコ」のお菓子のオマケシールである“当たり”を意識していると思われます。

 

きつね広島

全国的に見かける、キツネが星に願いをかけるシリーズのひとつ。特筆すべきはこの星形プレートで、キャラクターのイラストがないため、流れ星、葉っぱ、足跡などの要素を配していて、スマートで独特な雰囲気となっております。地名がローマ字でも漢字でもなく平仮名の書き文字であることも珍しいです。

 

ハートと星

三輪車に乗る桃太郎の星形キーホルダー。通常は樹脂の下に印刷されることが多いのですが、こちらはプレートの地が見えないくらい高密度にラメが閉じ込められているため、樹脂の上に印刷されています。このラメには個体差があり、私は個人的に「いちばん銀河を感じた」ものを選ぶようにしています。
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広島で歴史上の人物として一番ディフォルメキャラクターになっている平清盛の “KIYOMORIくん”キーホルダー。船の上でジャンプしてウィンクしているのがカワイイ。実際は弓矢で標的を狙うのに片目をつぶっているのだとは思うが、この緊張感のないイラストではもはやウィンクにしか見えない。

 

みやじま

雑誌『ピチレモン』のキャラクター商品「レモンビレッジ」を思わせるカップルのイラストが印刷された小さな黒板。眉毛がない、白目がある、つぶった目、真横の靴、スカートとズボンのチェックなど、色々な要素が似ています。「旅はふれあい MIYAJIMA」というシールが、ただでさえ少ない黒板の領域がさらに狭くなるように貼ってあるのが大胆。

 

 

保護成果物の運搬術

各地で保護活動を行う際、問題となるのが運搬です。店では後先を考えず保護すべきものをすべて保護する方針のため、持ちきれないほどの紙袋の量を見て、「これはとても運べない」と後悔することが多々あります。

 

たくさん購入すると両手いっぱいに紙袋を持つことになり、色々な問題が起こります。たとえば鉄道を使って移動する場合、地方の駅などはホームに着いてから車両までが離れていることも多く、しかも今来ている車両に乗らないと次の電車が1時間後だったりするので小走りで乗車を試みるのですが、その際なにかに引っかけて紙袋が破れて中身が散乱し、半泣きでかきあつめるという事態が何度か起きています。

 

とにかく駅では時間に余裕を持つことが大事ですが、袋の強度を高めたり、袋の中身の容量を減らすことでこういった事故は防げますので、その手法をご紹介いたします。

 

たとえば紙袋を破けにくくする方法ですが、取っ手の部分を紐で縛ることで破れにくくなります。紐がない場合も、土産店でもらうレジ袋で代用できます。太いベルトがあれば、全体を縦に縛ることで強度が増しますので、私は必ず携帯しています。

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次に、バスや鉄道での移動中や宿で、荷物のかさを減らす作業です。マグカップの中に湯呑みを入れ、さらにその中に小物を詰め込む。圧縮袋でクッションやぬいぐるみ、Tシャツなどを圧縮。これでだいぶコンパクトになり、紙袋への負荷も減ります。

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ベルト、圧縮袋とともに必携なのが、折り畳み式のキャリーバッグです。運ぶのが楽になりますし、陶器や鏡が割れたり、尖ったキーホルダーで袋が破れたりといった心配も減ります。

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これらは、色々な問題や失敗を乗り越えて身につけてきた工夫です。現地での運搬中には、実にさまざまな事が起こります。広島県の宮島・厳島神社における保護活動では、歩いていると土産物の入ったレジ袋を思いっきり後ろへ引っ張られる出来事がありました。

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!!!!!!!!!!!!!!!

 

突然の事態に驚いて振り返ると、なんと鹿が噛みついていました。

私のレジ袋には雑貨ばかりで、鹿が喜びそうな食品は一切入ってないのですが、どうもレジ袋といえば中には食品が入っていると刷り込まれているようで、たびたび観光客が襲われるそうです。私は中の暖簾などが噛み千切られては困るので必死に引っ張って離させて、すぐ逃げました。

そんな時にもキャリーバッグに入れておけば安心ですね。

 

しかし、観光客がおみやげに買うものといえば、雑貨ではなく食品であるという時代の流れを、まさか鹿から突き付けられるとは……。

 

 

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8月27日(土)、山下メロ院長が出演するイベントが開催されます!

夏休みの家族旅行みやげを自慢する日、それが登校日。1980年代に国内の観光地にあふれていたファンシーイラストのおみやげ「ファンシー絵みやげ」について、山下メロ院長が語ります。

※ 来場者全員に限定ファンシー絵みやげキーホルダー配布!
※ ファンシー絵みやげ展示コーナーあり!
※ お盆の帰省時に探して、ファンシー絵みやげやテレカをお持ちよりください。
鑑定結果に応じて粗品やグッズとの交換も可能です。(自慢だけも可)


ファンシー絵みやげ登校日
日時:8月27日(土)OPEN 12:00 / START 13:00
場所:阿佐ヶ谷ロフトA(東京都杉並区阿佐谷南1-36-16ーB1)
価格:前売¥1,800/当日¥2,300
(共に限定キーホルダー付・飲食代別・要1オーダー400円以上)
※前売受付はe+・WEB予約にて発売中
HP:http://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/48049

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ファンシー絵みやげ保護活動記
山下メロ院長

やましためろ・いんちょう/ファンシー絵みやげ研究家。80年代の庶民風俗を研究。特に観光地のファンシーイラストが描かれたお土産雑貨=「ファンシー絵みやげ」を収集・研究しており、各種メディアで保護を訴えている。訪問した土産店は1000店を超え、所有するファンシー絵みやげは4000種を超える。オリジナルiPhoneケース販売中。ウェブサイト:ファンシー学院

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