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団地のはなし

vol.7 団地出身なつめが見て感じたジブリ

「コラム、次はどうしようっか~」という打ち合わせ。「『耳をすませば』の裏テーマは『団地って故郷になるのか』らしいよ」という話からなんとなーくジブリの話に。宮城の田舎出身・なつめコラムの編集担当Yちゃんが「もののけ姫は中学生の時観たんだけど、わたしぜんぜんわからなかったんだー!」と言いだすので理由を聞くと、「すごい自然だね、で?って♥」なんて答えが!えええええええ!そんな感想!?初めて聞いたわ!!!(最前列で見て、寝たらしい。)

 

山や田園風景はYちゃんにとって興味の対象になりにくかったみたいなのです。ほ〜。

 

いやしかし考えてみると小さな頃過ごした環境によってアニメの受け取り方って結構変わるのかも。ていうか、ジブリって「場所」が大事な話ばっかり。それならなつめが見たジブリについて一本書いちゃお!てことになりました。

 

「ローカルがテーマのコラムじゃなかったけ……?」と心配したんですけど、Yちゃんは「脱線していくのっていいよね!(キリッ←酔っ払っいながら)」って感じだったので、まあやってみます。苦笑

 

ぜんぜん団地も埋め立て地もおいてけぼりになるかもしれませんが、、、難しいことは考えずいってみよー!

 

 

「風の谷のナウシカ」(正しくはジブリではないですけど)

 

団地の横を国道と湾岸高速が走りそのむこう側は工業地帯、夏は毎日光化学スモッグ注意報、喘息発生率の高い空気の悪い場所で育ちましたので、あのガスマスクみたいのはすっごくすんなり受け入れられました。環境汚染については考えさせられる場所だったかなと思います、埋め立て地は。ナウシカの世界観は「近い将来ここもこんな感じになったりして!」と思いながらみてました。

高校生の時に漫画版を読みました。なんと、腐海は地球を浄化するための装置だった!そしてナウシカ自身もそのシステムの中で生きるようにプログラムされた生き物に過ぎなかった!自分が愛した土地とは?仲間とは?故郷とは?偽物なのか…!?悩みながらそれでも生きることを肯定するナウシカ。おおお。これは自分の物語なのではないかと感じるなつめ青年なのでした。

 

 

「天空の城ラピュタ」

 

小さい頃からあんま好きじゃないんです。なんか暗いですよねトーンが。
主人公のパズーは少年なのに親がいなくて働いているし、シータも孤独。あげくに飛行石をめぐる大人の欲望まみれの戦いに巻き込まれる。つらい。

ラピュタにたどり着いてから出てくるロボットも、ずっと孤独だったんだろうなあっていう感じですよね。敵役のムスカも孤独。まああいつは自業自得かなあ。軍隊従えるくらいだからきっと求心力はあるんですよね、いいところもあるのかも。でも孤独。パズーのお父さんも夢はあったけど孤独だったんじゃないかなあって。さびしさをふっ飛ばす存在が一人。ドーラおばさん。最高。

僕の妹の友達のお母さんにドーラにすごく似た人がいたんです。かもちゃんと呼ばれてました。九州出身だった気がする。声でかくて明るくてガタイがいい。子供を片手で担ぎそうなお母さん。僕がほっぺを握ってつくる「たこやき」が好きで、会うといつも「たこやくやってくれ!」って言ってたかもちゃん。元気かな。

 

 

「となりのトトロ」

 

さつきとめいの家に憧れてました。古びた白い一軒家。まわりは森。団地とは真逆。家はコンクリートでまわりはドブ川と工場しかなかったですから。

山へ行くと木々がざわついて得体の知れない何かを感じますよね。あの感じ埋め立てにはほんとにないので、画面の中ではしゃぐさつきとめいと一緒に、「あの感じ」をわくわくしながら追って、驚いたり騒いだり走り回ってた記憶があります。

僕にとって田んぼというと「おばあちゃんち」です。僕のおばあちゃんちも田んぼとかはたけとかやっていたので。小さな頃はおばあちゃんちの方が好きでした。たくさん遊べるところがあるから。あの頃のドキドキを今見ても思い出します。あとおばあちゃんにあいたくなる。げんきかな。

 

 

「火垂るの墓」

 

一回みてからトラウマでそれ以降みれておりません。。。

 

 

「魔女の宅急便」

 

女の子ってめんどくさい生き物なんだなって小さいながらに思って見てました。ちょっとしたことですぐ機嫌悪くなるし、すぐ凹むし、そのくせすぐ機嫌なおるし。そーゆーのもかわいいなって思えるようになったのはほんと最近ですね。トンボがかわいそうでかわいそうで。すげえいいヤツなのに!

自分んとこの海とは随分違う海。港町。すてき。坂道がたくさんあって、街はレンガで造られてる。すてき。こんな街もあるのかあ。

埋め立て地には坂道がありません。スーパーフラット。道はだだっ広くて空が広い。大味。曲がりくねった坂道があったり、家々の間に小道ががあったりって子供心くすぐる。いまもくすぐられる。

 

 

「おもひでぽろぽろ」

 

この作品は小さい頃はまったくわからなかったです。これだったら実写でやればいいのになって思ってました。でも、俺は何もわかっていなかった!!!2013年にたまたま見て、うわーすごくいいなあと思いました。(妹の彼氏が「風立ちぬ」の感想として僕に「あれは実写でやればいいんじゃないかと思って寝ちゃいました」と発言、夏目激怒という事件が最近ありました。げへへへへ。)

バンドの話になりますけど、「AFTER HOURS」というアルバムは震災後に液状化現象でぐちゃぐちゃになった地元浦安を見て「もしかしたらここは人が住むべき場所じゃないのかもしれない。そう思ってここを出て行く人が増えるかもしれない。つぎに大きい地震があったらもうほんとうにダメになるかも」という考えが浮かび、「それならば音楽として美しかった街を描いておこう、いつかちゃんと思い出せるように」と製作した作品でした。

そういうやり方もありなんだなって着想は「おもひでぽろぽろ」から得ました。

 

 

「紅の豚」

 

小学生時代→随所にあるおもしろシーンでとにかく爆笑。幼女が奔放に海に飛び込みまくるところ、カーチスが崖を降りてくるシーンとか、最後の決闘の顔がぶれまくる描写とか。

中学生時代→少し大人の目線も出てくる。背景の美しさとか、ポルコのかっこよさがわかってくる。鼻に付くやつだなあと感じていたカーチスのいいところもわかってくる。

高校生時代→ずいぶんお姉さんだと思っていたフィオと同い年になり、このこ凄いなあと凹む。自分はさながら燃料を売ってフィオに文句言われる男の子のよう。やはり女子は年上が好きで技術や才能に惚れるのだということに気づく。ジーナの「ここではあなたのお国より人生がもうちょっと複雑なの」というセリフが気にかかる。戦争とはなにか考える。

現在→「国家とか民族とかくだらないスポンサーを背負って飛ばなきゃならないんだ」というポルコの元同僚のセリフが気にかかる。

 

 

「平成狸合戦ぽんぽこ」「耳をすませば」

 

この二つってどっちも「団地」に関わる話ですよね。今気づいたんですけど。

「平成狸合戦ぽんぽこ」は確か舞台は多摩ニュータウンですよね。「耳をすませば」は聖蹟桜ヶ丘。すんごい近い!うおおお!俺気づいてしまった!この二つは連作なんだ!(ちがうか?)すげえ。森が切り開かれて、狸は住むところを失い、団地が作られて、人が住み始めて子供たちは育っていって恋をする。人間は残酷だけど暮らしは無罪だなあって感じがいまグオっと押し寄せてきております。この二つを並べて比較するとかなり面白そうです。ぽんぽこは高畑勲、耳すまは監督は近藤喜文さんですが脚本・絵コンテ・製作Pが宮崎駿なので宮崎色が強いと思われます。

「ぽんぽこ」はただただ面白い映画として見てました小さいころは。お化けいっぱい出てくるし。団地の話だなって意識したのはいまになってです!

「耳すま」は最後に聖司くんが「結婚しよう」っていうのが小さいながらに「は?」って思った記憶があります。あと、この映画が公開された時に近所のおばちゃんたちが「アタシ全然いいと思えなかった~!」って談笑してたって思い出がすごく色濃くあります。どうやら小学生を子供に持ったママさんたちには古臭いメロドラマにしか映らなかったらしく、あんな文学少年いるはずないだの、雫がぶりっこで感情移入できないだの、おばちゃんたちは言ってました。ああはなりたくないなと思いながら聞いてました。

 

 

「もののけ姫」

 

Yちゃんが寝た映画です。

僕にはすごく衝撃的でした。小学生って学校で習うので環境問題に対してけっこう敏感ですよね。僕は高学年の時、宇宙開発とかロケットとか好きだったのでオゾン層破壊のこと興味を持ったりして、なんか人間て楽じゃないなあと重い気持ちになりました。その感じをアシタカは背負っている気がして、すごく感情移入しました。パンフレットも読み耽りました。

アシタカは少女を守るために祟り神に矢を放って呪いを受けますがこれは不条理だと書いてあったと思います。宮崎駿がインタビューかなかんかでそういう返答をしてた。何も悪いことはしていない。ただそれを背負わざるを得なくなり生まれた村を出て行くことにまでなる、と。彼は運命を受け入れる。で、とにかく振り回されまくった挙句、守ろうとした女性から「人間たちを許すことはできない」と告げられる。

「共に生きよう」とはいったいどういうことなのか、未だに考えます。

 

以上!

 

次回はちゃんと地元のコラム書く!

 

つづく

INFORMATION

SC_0309シャムキャッツ
ニュー・ミニ・アルバム『TAKE CARE』が好評発売中。前作『AFTER HOURS』に続き、サヌキナオヤによるアートワークをフィーチャーした豪華イラストブック付き。アルバムを引っさげて行った全国ワンマンツアーのアンコールツアー(つくば/仙台/金沢)が5月31日からスタート。夏は全国でライブが盛りだくさん!最新情報はこちらから。http://siamesecats.jp

『TAKE CARE』
¥1,790(税抜)takecare
PCD-18785/P-VINE RECORDS
リリース記念特設サイト
http://siamesecats.jp/takecare/

団地のはなし
夏目知幸

夏目知幸/1985年生まれ、千葉県・市川市出身。ロックバンド、シャムキャッツのボーカルとギターを担当。ヒット作『AFTER HOURS』の”その後”を描いた、新作『TAKE CARE』を3月4日にリリース。好きな芸人はとんねるずなどなど。好きな食べ物はあんかけ焼きそばとピザ。茶目っ気たっぷり団地メン。
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