特集 地域で暮らしを
つくる人の声を聞く時間
「スナック雛形」ありがとうございました!

“土地のことを知りたいのなら、その土地で育ったものを食べて、その土地の酒をのむ。まずはそれから!”を合言葉にオープンした一夜限りの「スナック雛形」。
各地方から来ていただいたママ&マスター、お客さまのおかげで、大盛況のうちに終了しました。お越しいただいたみなさま、協力いただいた関係者のみなさま、本当にありがとうございました!
これまで『雛形』で取材させてただいた方々と、読者のみなさんが交流するイベントとして、原宿のVACANTを会場に開いた「スナック雛形」。さまざまな土地で暮らすみなさんが出会ったり、再会できる空間になってほしい、と想いながらスタッフ一同企画をしてきました。
当日は、ママ&マスターたちがセレクトしてくれた各地の地酒やおつまみを楽しみながら、カラオケにおしゃべり。都会/地方それぞれの土地での暮らしを、あの場に来てくださったみなさんがつないでいく、そんな光景が生まれていた気がします。
という感じで、思い出振り返りスタート〜!

フロム鳥取!「スナック のぶ子&トリピー」のマスター、 「COCOROSTORE」オーナー田中信宏さん(右)と、「あかまる牛肉店」の鳥飼賢吾さん。

フロム大分!「スナック園」のママには、スタジオ・ノクードの宮川園さんと、助っ人のフックさん。

同じく、大分は別府より、ホテルニューツルタの鶴田宏和さんが「スナックHATOBA」 のマスターとして登場!

山形県・山梨県・山口県の混合チーム「スナックさんてん」には、 左から、ゲストハウス「ruco」オーナー塩満直弘さん(山口)、五味醤油株式会社6代目・五味 仁さん(山梨)、デザイナーの須藤修さん(山形)が、盛り上げてくれました。

会場のDJを担当してくれたのは、写真家の大森克己さん!昭和歌謡曲〜クラシックまで縦横無尽な選曲、グッドミュージック!
この日、おつまみを作ってくださったのは、料理研究家・旅する台所「ピリカタント」の西野優さんと、吉祥寺のオーガニックレストラン「Taihiban」を運営する森本桃世さん。ママ&マスターたちが暮らす土地、大分・鳥取・山形・山梨・山口の素材を使って、お酒がすすむ品をふるまっていただきました。

大分県の郷土料理「やせうま」。小麦粉と塩と水を発酵させた生地からつくる平べったい団子を、茹でてお砂糖やきなこなどまぶして完成!

「椎茸うま煮 台湾風」。原木椎茸の栽培が盛んな大分ならではの肉厚椎茸。

鳥取県「牛すじと大豆のペッパー白ねぎ酢煮こみ 」 「スナックのぶ子&トリピー」の鳥飼賢吾さんが代表をつとめる「あかまる牛肉店」の牛すじと、鳥取で自然栽培で育てられた「大豆」と「金胡麻」、鳥取・田中農場の「白ねぎ酢」を使った贅沢な煮こみ。

山形県の伝承大豆を何種類かブレンド。山口県・萩の「釜炊き塩」や「しそわかめ」などをふりかけて食べる、「炒り豆ぽりぽり」。

山形県の「つや姫」に、山口県・萩の「しそわかめ」を混ぜたごはん。その上に、山梨県の「五味醤油」の白味噌と萩の「さしみちくわ」を混ぜて、山形県の「伝承野菜」とトッピング。

創刊したばかりのフリーマガジン「hinagata」も配布!たくさんの方に手にとっていただき感謝。
都内だけでなく全国から読者の方に来ていただきました。中には山形から新幹線で来てくださった学生さんも! ありがたやありがたや……。以前『雛形』でインタビューをした当時東京から鳥取に移住したのゴロゥさんの言葉がふと頭をよぎりました。
「最近いろいろな地域でイベントとかフェスとかおもしろいことをやる人が増えているから、そのために移動するじゃないですか。同じように私が鳥取に行くことに対する周りの意識も、昔だったら『遠くなるね、いつかまた会おうね』って悲しい話になるけど、今は『へ~鳥取に行くんだ!遊びに行くね』ってなる。だから、私の移動をきっかけに誰かの行動範囲が広がっていくような感じなのかな。今の時代はこういう暮らし方をしたいと思っている人が周りに多いなと感じるから、『自分も興味があるから、行ってみたい』って言われることが多くなった。時間や距離って実際に測れるものより、その人の感覚で伸び縮みする感じだと思っていて。飛行機もふえているし、移動手段があれば、すぐに行ける場所も多いから。そりゃあ住み始めたらいろいろな問題は出てくるけれど、それは、遠くに引っ越すことが大変だということよりも、その場所に自分が合うか合わないか。選んだ家がいいかどうかっていうところかな。なるべく『むずかしくないよ』ってみんなに伝えたいと思っています」
それぞれが今いる土地々々の境目を心地よく越ながら、飲んで、食べて、しゃべって、歌って、夜は更けていきました。
来ていただいた方から「みんないきいきしていておもしろかった」「自分たちを発信する良い場になった」「また次回もぜひ!」とうれしい声も。「スナック雛形」がみなさんの日常に少しでもワクワクする瞬間を作りだすことができていたら、最高でございます!
これからも、リアルに向き合えるコミュニケーションを大切にしていきたいと思っているので、『雛形』をよろしくお願いいたします。
また会う日まで、どうかお元気で!
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